すがすがしくないお話。

以前、主さまがこーんな表情をしていたので、ワタクシが


「ああ主さま、何だかきよぎよしい表情をしてますねえ(*´∀`)」


と言ったところ、母に非常に驚かれまして
「今何て言った!?」
「きよぎよしいって言った!?」
「それってどう書くの!?」
等、問い詰められ、遂には


「それは“すがすがしい(清々しい)”と読むのだ」


と、諭された事があります。
「ええ!?じゃあ“きよぎよしい”って言葉は、ないの!?Σ(´Д`lll)」
「ない!!」
そんな衝撃的事実を突きつけられたのが、4年ほど前のこと。


先日、母と話していて私は
「“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥”っていうけど、私は現実的には“聞くは一生の恥、聞かずにバレなきゃ恥じゃない”だろうとかつては思っていた」
といった話をしました。すると母はニヤリと笑って言ったのです。


「ああ、だから“きよぎよしい”なわけね( ̄ー ̄)」


しかし、それはちょっと違うぞと思った私は、その思いを素直に伝えました。


「いや、それは違うよ。だって私は微塵の迷いもなく“きよぎよしい”という言葉があると信じていたんだから。人に質問する必要性すら感じていなかったもん」


予想外の切り返しに唖然とする母に、更に私は言葉を重ねます。


「だって普通に考えたら、清い清いで“すがすがしい”って思わないよ。この話した友達だって“そう言われると、なんでコレですがすがしいって読むのか分からなくなってきた”って言ってたよ」
「“すがすがしい”ってさ、山の空気とかを表現するときに使うでしょ。で、似たシチュエーションで使う言い方で“山の空気は澄んでいるね”っていう言い方があるから、それと結びつけて私は“すがすがしい”は“澄々しい”って書くと思っていたんだよ」
「だってどっちも“す”から始まるし。“清い”を並べて“すがすがしい”なんて、普通想像つかないと思うよ?」
「そのように私は筋道立てて勘違いしていたから、この読み方は正しいのか?なんて疑問はなかった!」


と、このような主張を話し終わる頃には、母は既に疲れきった様子で
「もういいよ“きよぎよしい”で!アンタの話聞いてるとなんであれで“すがすがしい”って読むのか分からなくなってきた!」
と言ったのです。
勝った( ̄ー ̄)v・・・でなくて。違う違う。どれ程私が勘違いの経緯を説明したところで、漢字の読み方は変わらないのです。


「いや、私が間違っている事は認めるよ。強固な勘違いではあったけど、強固だからって事実が変わるわけではないから」
と、オトナな態度を示したわけです。すると母が今度は畳み掛けるように質問を繰り出してきました。


母「大体、“きよぎよしい”なんて言葉を他に誰か使ってた?」
えむぞう「本を読んでたらいっぱい出てきた。そもそも“すがすがしい”って読むところだったんだろうけど、ふり仮名はふってなかった」
母「周りの人は会話で使ってなかったでしょう?」
えむぞう「ちょっと古い言い回しなんだと思ってた」
母「・・・・・・(゜Д゜;)」
えむぞう「明治時代ぐらいには普通に使われていたけど、だんだん廃れていった言葉を、作家が文章の中では気取って使っているのかと思っていた」
母「アンタ、思い込み激しすぎ・・・」


言葉として口に出してみたら、自分でも“ちょっとこれはないなー”と思いました(^^ゞ
漠然と考えている分には、違和感なく思い込めても、人に話してみるとちょっとおかしいぞ、という事もあるわけですね。
“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥”というのは、こういう意味も含んでいたりして・・・。
これもまた思い込みかww