世界選手権女子SP

もういい加減シーズンも切り替わるのでスケートの録画を整理せねばと思っているえむぞうですよ。コンバンハ。
というわけで、本日は世界選手権女子SPのJスポーツの放送の見ながら感想文です。
実況は小林千鶴さん、解説は杉田秀男御大(笑)

Patricia GLESCIC

スロベニア代表、18歳。音楽は『Crystalized』
しょっぱなからゲスな事書きますが、胸が結構ある。その辺でジャンプに苦労するんじゃないか系ですね。ただ全体は細身です。正直うらやましい。
音楽はヴァイオリンかな。現代音楽で、なんだかBondっぽい。
3Lo転倒3フリップ1トウ2アクセルもあまりクリーンではないですね。スピンも、ビールマンなど入れていますが今ひとつポジションがきれいにはまりきらない。
足元の滑りは悪くないと思うのですが、上半身の動きが滑りに引きずられるような形になっていてコントロールしきれていない印象です。
実況によるとジュニアの選手だとか。なるほど、あらゆる意味でジュニアっぽい。持っている基礎も方向性も悪くないけれど、まだほとんど全てが仕上がりきっていないという印象です。キスクラにフースコーチの姿が。なるほど滑りの質がオーバルストドルフ組っぽいわけですね。

ブルックリー・ハン

オーストラリア代表、アメリカ生まれの17歳でジュニアとかけもちです。
音楽は『Freedom』と『タイタニック・シンフォニー』割とよく聴くリリカルなピアノ曲で始まり、ステップシークエンスでタイタニックの有名じゃない部分を持ってくる構成です。
3T2T、3Lo、スパイラルから2A。流石アメリカ仕込み。冒頭から凝ったトランジッションを見せ、ジャンプ構成は堅実。コンビネーションと3Loの間につなぎ要素として見せたスパイラルのポジションの美しさはまったくもって全米選手権クォリティでした。そしてスピナーですね。ドーナツのポジションが素晴らしい。軸も流れず回転速度もある、理想的なスピンでした。

ユーリア・トゥルッキラ

きましたフィンランドの妖精。フィンランドには妖精しかいないのかという勢いですが。もう18歳ですか。曲は『Firebird』。この曲だと赤なイメージですが、彼女はオレンジと黄色ですね。
3T1T、3Sどうにかバレエジャンプから1A…。彼女のようなジャンプ構成がやや弱い選手はミスをしない事が大切なのですががががが。音楽も彼女にはあまり合っていないというか、少なくともこの演技は音楽に気持ちが乗り切れていないという印象です。コルピの欠場によって、五輪枠のプレッシャーがかかってしまったのでしょうか。

クーシン・ジャン

中国代表。17歳。怪我で前半をお休みしたので、大分前のグループになってしまいましたね。
曲はショパンノクターンというか、マートンのアレですね。
彼女らしい、スパッと気持ちのいい3T3Tで、思わずTVの前で拍手…の後の痛恨の1ルッツ…。しかしスピンはポジションも速度も素晴らしい。大きなミスはありましたが、40点台の後半は出ました。スピンて大事。GOEって大事。
杉田さん「技術はあるけど表現が…」と。あれですね、背中と表情がどうにもぶっきらぼうな印象になってしまう問題ですね。

Tina STUREZINGER

スイス代表。17歳。曲はタンゴメドレー。かわいい子ですねー。3FLtz 3トウ 2A転倒。2Aの前に著しく減速するタイプ。キャロライン系ですか。要素の前とかにどうにも飛行機ブーンみたいな腕になってしまうところがありますが、振り付けはトランジッションの部分にタンゴらしい動きを入れているし、それが上半身のダンスだけでなくスケートの方にも取り入れられていて、採点対応的には考えられているPGじゃないかと。ただ、そういうPGな分どうもリンクの使い方が小さくなってしまっているのではないかと思います。TVの画面で見たかぎりの印象ですが。


2G

Anita MADSEN

デンマーク代表。にぎやかコーチコンビキター!!最近のコーチウォッチングのハイライト!!!
曲は『死の舞踏』3Lo2Tスピードがあって気持ちい。3S。ふらつきレイバックからの勢いを取り戻して2A。キャメルスピンはOK。勢いに乗ったステップシークエンス。ちょっとレベルがとれているのか心配に。
本人的には満足の演技。きっとこの曲の勢いがフィーリングに合うのでしょう。コーチの(ぇ)練習からコーチがテンションを上げて指導する様が見えるようです。
そしてお約束のコーチのリアクションもしっかりリプレイに盛り込まれています。カナダまで轟いていたコーチのリアクション。
杉田さんが「もう少し丁寧に」と言っていました。まあ一言で言うならばそういう事でしょうね。

Isadora WILLIAMS

ブラジル代表17歳。曲は『Maria and the Violin String』by Amrash。この子もなかなかかわいい。アメリカ生まれだそうです。
3Lz2T 3Lip 2A。マカロワが使っていた曲ですかね。あちこちに少しずつ粗い部分があり、それが微妙に全体の印象を下げているような。

アリーナ・ヒョードロワ

ラトビア代表。17歳。『インセプション』より。
3F転倒。3S転倒。これは痛い。2Aはok。ステップは重みのある曲を上手く表現できていていい…と思ったらスタンブル。ロンドン到着が当日の午前2時になってしまったというトラブルに触れて杉田さんも同情気味。でも衣装や髪飾り素敵ですね。

ケイトリン・オズモンド

おや思ったより早く登場。カナダ期待のケイトリン・オズモンド。申し訳ないのですが、私はこのPG、ラテンなのに黒の長袖というのが納得できないのです。昨季のアイスダンスのラテンSDで極彩色衣装が列をなす光景を想像していたら黒が列をなしていて絶望したトラウマが…。彼女にも明るい色似合いそうだと思うのですが。フリーのカルメンの赤と被らないようにしたかったのでしょうかね。
3T3Tセカンドの回転も文句なしですね。ほかのジャンプも問題なく、自信に満ち溢れた演技で、地元のお客さんも大喜び。リズム感があってダイナミックで…と、杉田さんも絶賛です。しかし、彼女の賞賛される部分はよく分かるのですが、どうもこのPGが好きになりきれない感じが私にはありまして、どうしてだろうといつも思いながら見ていたのですが、今回わかりました。弾けるようなエナジーに満ち溢れた演技ではあるのですが、全体同じ勢いのままで動いているように見えるのが、好みではないのだなと。強調する動きと敢えて力を抜く動きや、効果的なタメなどがあったらもっと雰囲気が出るのではないかなと思いました。

Carol BRESSANUTTI

イタリア代表19歳。イタリアの若手選手が出てくると、スタイルの良さと衣装のお洒落ぶりに驚く流れは健在です。『ベサメ・ムーチョ』
3Loややかすり、3T2T、PGの後半に2A。ところどころ腰が折れ曲がったようになってしまうのが、手足が長いだけに逆に悪目立ちしてしまっているように見えました。それと音楽がBGMだったような。

Inga JANULEVICIUTE

リトアニア代表。17歳。これはまたかわいらしい。『サムソンとデリラ
最初の2Aはスパッと決まって、これはいいと思ったのですが。3Lzで回転が大幅に足りない状態で、はっきりとわかる両足着氷で、そこにどうにか2Aをつけましたが、コンビネーションと認められずに+COMBO扱いで必須要素を満たせず。ああ、無理しないで次のジャンプをコンビネーションにすればよかったのに…って外野は気軽に言うのですのよね。ごめんなさい。次の3Tではなんとも痛そうな転倒。心身ともにダメージが大きかったと思いますが、最後まで滑りきれてよかったです。


オズモンドのインタビューが。「私には脳みそがないから緊張しない」と「No brain No brain」と言い聞かせていたのが効果があったそうです。笑


3G

Anne Line GJERSEM

ノルウェー代表。19歳。ポニーテール。小林さん「ヤシャム」と苗字を読んでますね。アルファベットだからといって読めると思ってはいけない。映画『マスク』より。
きちんと上がれずに2S。3Loシェイキー。2A回り込む系。ジャンプミスが続いたせいかすごい無表情で『マスク』を滑っています。レイバックのスピンの加速に拍手が起きるカナダの客層のクオリティの高さよ。

Nathalie WEINZIERL

ドイツ代表。ちょっとキミー似のナタリーちゃん18歳。映画『栄光への脱出』より。
3Fステップアウト、3Lz2T、2Aオーバーターン。ユーロでの素晴らしいSPの再現とはなりませんでした。しかしフリップもルッツも跳べて、エラーなし、スピンの技術もしっかりしている、いい選手が出てきてドイツには大変喜ばしい事ではないかと。個人的にドイツの選手は好きなタイプが多いので私もうれしいのです。

キム・ヨナ

言わずと知れた韓国のスーパースター。映画『Kiss of the Vampire』より。
1年ぶりの復帰ですが体型がほとんど変わっていない、太った様子も勿論ないし、痩せて筋肉が落ちるなんて事もない。タイトなトレーニングを重ねてきたことが窺えます。
スタートの表情は緊張をしているのかな?という感じを受けましたが、音楽が鳴りはじめたら後の演技はパーフェクト(フリップにエラーはつきましたが)。正直、PG自体にはそれほどインパクトを感じませんでしたが、スケーターとしてのあの飛びぬけたクオリティを維持している事を見せつけるには十分の演技でした。70点台がくるかと思いましたが、あと少し足りませんでしたね。

Kerstin FRANK

オーストリア代表。24歳。おそらく一番滑りにくい滑走順を引き当てたのが、ダイナミックなジャンプのフランクさん。『ボヘミアン・ラプソディー』
ウィーン生まれのウィーン育ち、近代フィギュアスケート発祥の地と言っていい場所by杉田さん だそうですよ。
安定の3T2T。高い3S。バックアウトのスパイラルから2A。厳しい滑走順でしたが頑張りました。
フリーレッグの使い方とかスケーティングに杉田さんからダメだしされていますが、20代スケーターの音楽表現はその人なりの色が出来上がっている人が多くなって、技術的な課題があろうとも好きな人が多いですよ、私は。彼女もこの扱い難い曲を彼女なりの表現で見せていたと思います。

モニカ・シマンチコワ

スロヴァキア代表、17歳。初出場だったのですか。結構前から知っている気でいたので意外です。ミュージカルの『アダムスファミリー』より。
2A 3F 3T2T。おお、いい演技。動き全体キレがありました。世界ジュニアに出ずにシーズン後半シニアに集中したのがよかったのかもしれない。

Kaat VA DALE

ベルギー代表。23歳。Museの『Exogenesis Synphony』ベルギー女子は出てくる人出てくる人細身ですね。
3T 2S1T 2A うーむ。この曲を使うならばスケーティングの一蹴りにもう少し伸びが欲しいところ。使いたくなる気持ちはわかりますが。いい曲だし、名PGもありましたし。


4G

ソニア・ラフエンテ

スペイン代表。『ロミオトジュリエット
3F2T 3Lo 2A。全体的にとても安定した演技でした。

ナタリア・ポポワ

ウクライナ代表。もう19歳ですか。『Pourquoi Me Reveiller』by J.Massenet
『春風よ、何故私を目覚めさせるのか』と小林さんがPGのタイトルの訳を。
3F 3T3Tを予定していたようですが3T2T。滑りながら上半身や腕のストレッチができていて、全身をのびやかに大きく使っています。後半グループに入ってくると、こういう体の使い方が標準装備されてくるのですよね。

エレナ・グレボワ

エストニア代表。『Tales and Legends』by R.Tambin
昨年アメリカに練習拠点を変えてから、ぐっと伸びてきたグレボワ。スタートのポーズから以前より洗練されています。3T3T成功!今回は回転不足とられていませんよ!3Sも高さが出ています。2Aもok。
なんでしょうね、アメリカで練習するとまず姿勢が良くなるのでしょうか。

グレイシー・ゴールド

アメリカ代表。次世代を担う美少女キター!『Hernando's Hideaway』
3Lz3Tきたー!でもちょっとセカンドが回転不足…3Fは明らかにエッジエラーつきますね。2Aは問題なし。キャメルスピンでちょっとポジションが崩れてしまうという、割と痛いミスをポロポロしているのですが、そこでリズムを崩さずに終盤まで気を抜かずに滑りきり、フィニッシュは笑顔。こういうの大事ですね。

エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ

グルジア代表。マイスイートエレーネ…。見返すのがつらい…。
秋の大会で五輪枠が取れますように。取れますように。

ジェナ・マッコーケル

イギリス代表。『Imagined Ocean』
3F2T 3T 2Aシェイキー。レイバックのポジションとか相変わらず杉田さんにダメ出しされているけれども、個人的にはこの曲彼女に合っているのではないかと思いましたよ。
杉田さんの厳しい指摘が続くモードになったら、さり気なく褒めポイントを口にしてやんわりと流れを変える小林さんの手腕の素晴らしさよ。


まだあと2グループあるのですよ。製氷が2回です。盛況で何よりですね。


5G
いよいよ最終2グループですが、ここからは大体有名選手ばかりになることですし、感想メインでジャンプの構成などは省いていきますよ。

鈴木明子

『キル・ビル』『レジェンド・オブ・メキシコ』
痩せてますねえ。年明け頃から痩せぶりが気になっていました。4大陸で少し演技的には持ち直したように見えましたが、ちゃんとTVで見るとやはり体が戻っているとは言い難く、4大陸は気力でやれても、世界選手権までにコンディションを整えられるのだろうかと不安に思っていました。そういう意味では割と予期していた範疇といった感じでしたね。まあ国別もとっくの昔に終わった今だから、呑気にこんな事書いていられるのですがね。

ヴァレンティナ・マルケイ

『エスペランザ』ハマりPGのフラメンコです。が。今回は2つのジャンプをミスして、乗り切れない演技になってしまいました。コーチが帯同していない時の方が調子がいいというジンクスは早く終わらせてほしいものです。
ところで、彼女は以前Twitterで、コスチュームを洗濯したら、白地に赤の水玉だったものがピンクと赤の水玉になっちゃった!とか言っていまして、ヨーロッパ選手権のときは本当にピンクの水玉だったのですよ、フリル部分が(笑)この世界選手権では赤と黒の水玉になっていますね。付け替えたんですね(笑)

アデリナ・ソトニコワ

『スペイン奇想曲』レイバックスピンが惜しい。ジャンプは高難度で組んでいるので、それは足がかするときだって回転不足をとられるときだってありますが、この程度なら彼女は他で取り返せる選手なだけに、スピンでも得点をロスしてしまったのが本当に惜しいです。でも、シーズン当初は曲をつかむのが意外に難しそうと思ったのですが、もうすっかりモノにしていますね。

ヴィクトリア・ヘルゲッソン

『Poinciana』今日も美しいヴィッキー。スピンで思わぬミスをしてしまう選手が多かった中で、安定したスピンを見せていました。そして勿論ステップも安定のレベル4。最初の3T2Tは、セカンドトリプル狙いで抜けてしまったという感じですね。

エリザベータ・トゥクタームィシェワ

『アディオス・ノニーノ』思わず「あっ」と口に出して叫んでしまうようなミスが2つ…スピンの入りで転倒ノーバリュー…1A回転不足でノーバリュー…7つしか要素のないSPで2つノーバリューorz
しかし大きなミスの後も演技の勢いを殺さずキレた動きを見せるリーザ様まじリーザ様。フィニッシュ後はしょんぼりしていましたがね。

ズージュン・リー

うおかわいい。知ってるけどわざわざ言っちゃうくらいかわいい。『ダークアイズ』
3T3Tの転倒はあっても後はきっちりまとめました。3Fの着氷した足でくるくるターンするところも「すごい」とかいうわけでなく「かわいい」って言っちゃうんですよね。杉田さんも演技後開口一番「かわいらしい」とか言ってるしw
インタビューでも一生懸命英語で答えようとしてでもギブアップしてしまう様子がまたかわいい。


6G
このグループの6分練習は全部流すのですね。
杉田さんは定番のコストナー=イタリアのスポーツカー話を。

村上佳菜子

『Prayer for Tayler』素晴らしい。前のシーズンからしっとりした曲に挑戦するようになっていましたが、1シーズンではまだ表現できるようになってはいないなと思っていたのです。しかし今回の最初のピアノの音に合わせたステップの繊細さ。佳菜子がこういう子だと勘違いしてしまいそうです(←)
演技が終わった後のちょっと得意げな笑顔に「ふっ」と吹き出し、得点が出る前〜出てからのやりとり「どうかな〜。カナなりにはがんばったよね」「がんばった。がんばった」→「(点が出て)やばいよ!やばい先生どうしよう!」「(順位が出て)やばーい!」「やばいよ、やばいね先生どうしよう!はあー嬉しいー」のやりとりは完全にいつものかなちゃんでしたがまったくどうしてそんなにかわいいのかと。

アシュリー・ワグナー

『Red Violin』いい意味で緊張感を感じさせる演技がぴんと張られた弦のようでした。フィニッシュはジャッジの逆向きになってしまいました。

マエ・ベレニス・メイテ

『Feeling Good』かっこいいいいいいいいいい!!ほんとこの曲ハマってます。今季一番の演技ではないでしょうか。

浅田真央

『I Got Rhythm』うーん、これは3Aに救われた…という事になるんでしょうか。どうだろう。杉田さんは「ステップは素晴らしかった」と言いますが、確かにステップ以外のところで上半身があまり動けていない印象があり、コンディションを上手く合わせてこれなかったという感じです。

カロリーナ・コストナー

『Transylvanian Lullaby』『Devil's Trill』ヨーロッパ選手権では衣装がいまいちでしたが、今回のはきれいです。
3T3Tの転倒が正直結構絵に描いたようなというか(何)でも素晴らしい2Aとステップシークエンスですべて忘れました。あの音楽表現は現役選手で並ぶ人はいないってレベルではないでしょうか。

アリョーナ・レオノワ

『スラムドッグミリオネア』ロシア選手権で振るわずユーロの出場権を逃しましたが、その後の国内戦で結果を出して世界選手権の代表に入りました。流石根性の女。
しかしそこで気力が尽きてしまったのか、このSPは精彩を欠いています。SPに関しては、PGは悪くないと思うのですが、今季はどうもかみ合いませんね。


以上。おわり。

話の分かる猫

いくつになってもくだらない遊びが好きなえむぞうですよ。コンバンハ。


最近自分の中で流行っているのは「セバスチャンごっこ」です。
先日母が一泊の出張に行っていたのですが、その出張先のホテルで何故か『ホビット』を見てきたというのですよ。出張じゃないのか。仕事じゃないのか、という話はとりあえず脇に置きまして、なら話が通じるだろうという事で、久し振りに『ホビット』の話をしたりしていたのですね。
そんなとき、床に転がるちもさまをふと見て、唐突に思いついてちもさまに駆け寄って「おお!セバスチャン!何てことだ!」と言いながら抱き上げたのがはじまりです。


はい。それだけです。それだけの遊びです。
ホビット』にて、魔法使い「茶のラダガスト」が、倒れている仲良しのハリネズミを見て「おお!セバスチャン!」と叫んで駆け寄って抱き上げるシーンがあるのですね。それをちもさまを使って再現してみるという、それだけです。
勿論我が家には主さまもいますし、基本的に先住猫優先、主さまファーストなのですが、ハリネズミっぽい柄はどちらかと言ったらちもさまじゃないですか。
まあちもさまは当初、この遊びに突然巻き込まれても

ちも「なななな何なの?ちもはセバスチャンではないなの!」


という顔をしていたのですね。


ところが昨夜のことです。
実はちもさま、またしても耳を引っかきすぎて傷ができてしまい、経過を見つつ病院へ連行するべきか検討中の状況なのですね。
というわけで、昨夜もちもさまの耳が話題になったわけです。


え「ちもさま、お耳治りましたか?」
母「あれやって調べてみたら?あのハリネズミの」
え「セバスチャンごっこ?あれは倒れてないと成立しないから」


と、話しながらふと足元を見ると、ついさっきまで少し離れた場所で前足をそろえてお座りをしていたちもさまが、ごろりと横たわっているではありませんか。

※画像はイメージです。


というわけで遠慮なく「おお!セバスチャン!」と叫びつつ抱き上げ、耳の状態をチェックしたのでした。
普段は抱っこが嫌いですぐに「うにゃあ!」と抗議の声を上げて逃れようとするちもさまですが、このときは大人しく抱かれていましたよ。若干、冷めた目をされていたような気もしますがw


ある面では我々も、猫にお世話されているのかもしれないと思った出来事でした。


ところで、これはどちらかと言うと「セバスチャンごっこ」でなく「ラダガストごっこ」ではないかという疑問を持つ向きもあるかもしれませんが、まあハリネズミは可愛いという事でここはひとつ。
それにセバスチャンという名前のインパクトもね。あの世界ではちょっと浮いている気もしますがね・・・


【追記】
主さまも話のわかる猫ですよ。
それはもう何年も前から。

世界選手権ペアFS

1G
いきなり全米チャンピオンたるマリサイからというので少し驚きましたよ。しかしSP13位ということで、このグループ内では順位は一番上だったわけです。
はじめての世界選手権でフリー1番滑走という事で、終始緊張の窺える表情でした。この組のフリーは今季好きなPGのひとつなのですがね。ペアのPGでありながらタンゴらしいムーブメントを上手く入れていて。しかしちょっと固かったせいもあってか、それほど点数は伸びませんでした。というか、世界選手権となると、フリーで最初のグループに入ってしまうと点の出方が厳しくなりがちというかね。
つづくマリちゃんの組は、明らかにコンディションが良くなかったですね。特に男性がフィジカルに問題アリアリで、それに伴ってペアとしての同調性にも影響が出てきてしまっているという。
そしてデラモニカ/グアリーゼ。ジャンプがはまりませんでした。動きや滑りは良くなっている気がする・・・というか、その部分がよくなったからジャンプのタイミングがずれたのではないかという疑惑が。
このグループ最後はケンプ/キング。会場がロンドンですし、大きな歓声です。カナダのロンドンだけどもね。母国の大作曲家エルガーの威風堂々を使っていたけれども、今回のパフォーマンスは曲と同様にとは行かず。解説岡部さんは、このペアはペアに重要なユニゾンがいつも今ひとつ感じられないと言っていますが、確かに・・・。オフアイスでは仲の良さが微笑ましい2人なんですけどね。まあユニゾンの話が出てくるという事が、そこを問題視されるレベルに至ったと言えなくも・・・


2G
ベルホタから。そうかベルホタも第2グループか。ジャンプのミスと、あとリフトでポジションが微妙なものがあったような。スローも着氷が詰まったりしていて、こういうところでGOEを取り損ねる事で、ベストの点数に比べるとがくっと点数が落ちてしまうのですよね、今の採点。でもキャリーリフトのアイディアは今季のPGの中でも印象的なものだったのではないでしょうか。私はとても好きですよ。キスクラでベルトンが何故かValcan Saluteを。何故かいつも親指を閉じてしまう某悪役の中の人よりお上手ですよw
そしてスイハン。ああスイハン・・・正直見るのが辛いのです。ずっと怪我で休んでの今季初戦が世界選手権で、演技終了後立っているのも難儀する状況で試合に出るなんて、と。しかしそんな状況でも最後までやりきって笑顔で客席に挨拶するスイちゃんの強さ精神力は驚嘆ものです。しかし強いから大丈夫とは言えないわけで。そして3組目にこの状況のスイハンを出す中国の現在のペアの状況というのも・・・
続いてシメカ/クニエリム。こちらは大きなミスなくまとめました。初々しい。清々しい。そして、同じアメリカのマリサイを大きく上回る得点を出しました。思いがけない大躍進でした。
最後はペンジャン。このグループはポエタ(ベルホタ)にはじまりポエタに終わるのですね。しかしどうにも比べてしまうと・・・。ペアとしての現時点での力量の差(経験値的にどうしようもない)だけでなく、同じ曲を使っていてもPG自体の差を感じてしまいます。


終わってみると、ここまででシメカ/クニエリムがトップ。おおおおお。
ところで、演技後のインタビューでシメカ/クニエリムに「一部のメディアでは来季のあなた達の活躍を危ぶむ声が」と質問が。そんな事書いちゃうんだメディア!質問しちゃうんだ!曰く「運が良かっただけ」と。本人達は「他人の言う事は気にしません」と答えていましたが。聞いちゃうんですねー。まあ確かに、実績のあるデニー/バレットが怪我でシーズン途中で離脱した事でチャンスを得ているわけですが、そういうときに順番が回ってくる位置にいるというのも力のある証と思いますがね。


3G
地元の大声援を受けてのムーアタワーズ/モスコビッチ。この2シーズンくらい、当初あった粗さがだいぶ抜けてどんどん洗練されていっている印象ですが、それでもこのフリーは難しい曲だったと思います。SPでは気にならなかったジャンプ着氷後のフリーレッグの扱い方だったりといった些細な部分でもうちょっと…と思う場面も。しかし出来自体は、スロージャンプ一つで足がかすった程度。最近のカナダ選手は地元に強くなりましたね。
続いてちょっとお久しぶりなバザロワ/ラリオノフ。演技前にバザロワ様の美しいお顔のアップを見せるのは当然ですよね。
ファンの間では散々話題の「合わせる気のなさそうなサイドバイサイドのジャンプ」が指摘されていましたw
冒頭は少しぎこちない感じもあったように思いますが(問題のジャンプもあるし)、後半に行くほど滑りも動きもよくなったように思いましたね。しかしいい演技をした地元選手の後というのはなかなか厳しいものがありますね。
続いてこちらも怪我に苦しみながらの出場となったパントン。このフリーはこの組の雰囲気によく合ったいいPGなのですが。
最初のサイドバイサイドが1A〜2Aのシークエンスになっても「あるある。ここから!」と思ってしまうのがパントンwでもふたり揃って1Aになっていたので、ユニゾンの面でのマイナス評価は免れるのだそうです。流石(何が)。しかし後半でも安心して見られるはずのスローがひとつ両足着氷になってしまったのはやはりトン兄の怪我の影響でしょうか。スローのミスは投げる側の責任って杉田さんがいつも言っていますし(今回の解説は岡部さん)。それでも表現の美しさや演技全体の流れはここまでで抜けていました。
ジェームズ/シプレ。女性のほうがペアとしての経験が豊富、年齢も上なので、やはり女性がリードする形になるんでしょうか?上手いほうがリードするのでいいと思います、みたいな実況と解説の会話がフラグだったかのように、冒頭ヴァネッサが2つのサイドバイサイドのジャンプで両方ミスをしていましたが。しかし大きなミスはそこだけで、全体はまとまったので岡部さんから「このペアを見た中で一番よかった」とお褒めの言葉を。そして「特に女性がリードしているという雰囲気も感じませんでしたね」とそそくさとフラグを撤収させていましたww
このグループが終わってムーモスがトップ。この組がグループ最初の滑走だったのですが、この組のPGのトランジッションが一番豊富だっただけに、その後に続く組の評価に少し影響を与えたりとかもあったのかなーと思いました。
しかしコレオシークエンスはペアのPGには大いにいい影響を与えていますね。私はジェームズ/シプレのリンクの端と端でスパイラルとイーグルで滑るあたりとか音楽にも合っていてストーリー性も感じられて好きですね。


4G
もう最終グループですか。早いですねー。ダイアリーの更新自体は1ヶ月空いてますけどねー。
ヴォロトラ結成の経緯をよく知らないらしい岡部さん。「パートナーが変わるだけでこんなに素晴らしくなるのか」と、両者の元パートナーの立場ナシみたいなことを言っていますw周囲がこの二人の相性が合うことを見抜いていたのでしょうかという実況の質問に「誰かが勧めたんでしょうねえ」と。それモロゾフ。ターニャの元パートナーの方のモロゾフ。だからあまり元パートナーに厳しいことを言わないでやってください…
このグループも地元選手からですね。デュハメル/ラドフォード。きれいな3ツイストにこんなに揃った3ルッツ見たことない!というサイドバイサイドでロケットスタートという感じでしたが、後半からちょっと集中力が落ちてきた感が。前半が素晴らしかっただけに要素の精度が落ちた印象が強くなってしまったような。それでも大きなミスなくまとめられるところが今季の強さのあらわれでしょう。
今季は衣装で紆余曲折のあったサフチェンコ/ゾルコーヴィ。その上サフチェンコの体調不良と、今ひとつ波に乗り切れないシーズンでした。そして最後のこの試合では点数が出た後にブーイングが。まあ大きなミスがありましたからね。
でもPGの密度はやはり流石と言えるものがあったと思います。なんというか、この組を見て初めて「そういえば人体には背中もあったんだ」と思い出したというか。それだけポジションや空間の使い方が一面的でない、多彩なものだったというか。そしてラストにスロー3Aを持ってくるとは!ラストが一番高揚しなければならないボレロには相応しい演出とはいえほんとにやるかw
最終グループは久しぶりな気がします川口/スミルノフ。もう7年ですって。組んだころから見ているので驚きます。その7年の間、サイドバイサイドは当初いつもスミルノフが安定していなくて、段々安定してきた頃に今度は悠子ちゃんが崩れ、悠子ちゃんが調子を取り戻した頃にまたスミルノフがミスをするようになるという。ペアとしてはどんどん良くなっているのですが、ジャンプの調子のタイミングは合わないのですね。7年間の紆余曲折。でもツイストのキャッチは確率が良くなってきましたね。7年の積み重ね(`・ω・´)
流れのあるいい演技だったのですが、最後のリフトでフェンスにぶつかってリフトが崩れてしまいました。本当にいい演技だっただけに、リフトの点数がまるまるなくなってしまったのが本当に惜しい。スミルノフもショックを受けたような顔をしています。対して「次!次!」な雰囲気の悠子ちゃんw頼もしい。ラストシーズンと決めたらしい来季、悠子ちゃんはこの調子で、スミルノフはもうちょっと用心深く頑張っていただきたいw
そして最後にラスボスヴォロトラ。なんてよく出来た滑走順。最初から圧倒的な勝利を狙いに来ているという風な演技でした。相性がいいのは事実で、技術力の高い二人でもあるのでユニゾンも確かに3年目と思えないレベルではありますが、それでもまだ雑さが見える時もあるのですが、今回はそういう感じを与えませんでした。圧倒的で完璧な演技……最後のスロージャンプまでは。いやいや完璧でした。ターニャはねwwwなぜスローがきれいに決まった後投げた人が転びますかトランコフさんww演技後も、普段穏やかなターニャが珍しく感情を顕にしてガッツポーズ、場内も総スタオベ。そんな中一人微妙な表情のトランコフ氏が可笑しくて可笑しくてw得点が出てやっと生き返って喜んでいましたが。149点という非常に気の利いた得点なところもまた良かったです。あと1点(以下)で150点台…あれ、そのディダクション1ってなんだろう…みたいなwいやでも圧倒的でありましたよ。優勝者インタビューでは、眼鏡をかけるとますます合唱のギャレス先生に似てしまうジェフリー・バトルさんにも店頭について突っ込まれていましたがwしかしマキシムの世界ジュニア優勝もカナダだったねとか話を振れるインタビューの気遣いスキルが何気にすごいバトルさんでもあったのでした。おわり。

LIVE REVOLUTION'13 -UNDER:COVER 2-NHKホール行ってきた記

6/2にAOI、そして6/5にライブと、怒涛の趣味日程をこなしたえむぞうですよ。コンバンハ。
楽しいのはいいのですが、その後感想文をアップするにはちょっと困りますよね。まあとりあえず記憶が鮮明な方を書くとしますよ。


さて今回、前日のツイートから貴教さんの喉の緊急事態が窺われ、会場に向かう前日あたりと、会場に向かう道中は心配で胸が占められていました。7割5部くらいかな(←)
しかし会場に近付くにつれ、どうにもこみ上げてくるワクワク感。あの曲やあの曲を思い出しては、今日聴けるだろうか、それともあれなんかはどうだろうかと妄想をはじめてしまうのはファンの性なのか、それとも単に能天気なのか。もしくは、貴教さんがやると決めた以上はある程度以上の質のものになるだろうという信頼感によるもか。そういう事にしておきましょうか。とりあえず。


そんな気がかりがあった状態であり、この日を前に特に予習などをする事もなく、更に開演間近の時間に席についたために、いざ開演したその瞬間まで忘れていた懸案事項があったのですよ。
オープニング、まずスクリーンに映像。そして貴教さんのナレーション・・・


「そうだった、このツアー小芝居コンセプトありのツアーだった・・・」
そして貴教さんの登場。声は大丈夫そうでした。
バラードのパートになるとちょっとかすれる?と思ったところで刺さるようなシャウトがきたりとか、絶好調ではないけれどそれが故に丁寧に気持ちを入れて歌っているように見えましたよ。


そしてやはりコンセプトを表現したフィルムの内容が、まずは初見のライブ感想のメインとなってしまうわけですが、まあ予想するまでもなく見事なまでに中二病の結晶でありましたw分類的にはSFというか近未来ファンタジー的な。現世と前世と来世と・・・と語りが入ったところでは「クラウドアトラスかよw」とつっこみ、実はこの世界もお前の思念で作り上げられた・・・みたいな展開も、前にこんな映画見たなあ、とw窓から見下ろす都市の景色は相変わらずスターウォーズ風味wそして主人公の気持ちひとつで都市が崩壊するのもあったあったこういうの、とw
しかし別にこういうものにストーリー性とかオリジナリティを期待しているわけではありませんのでね。貴教さんがかわいかったから映像的にはオールオッケーですよ。何やら白い布をまとった風情でおじさんの話を聞く、見上げる表情とかがかわいかったので。そういうのを楽しむものだよなと割り切っていたら、ストーリーの途中で突然おじさんが増殖しまして「ヲイ!そこは培養するのは西川ちゃんだろ!!我々が誰を見に来ていると思っているんだ!!!」と思いましたがね。
結末と言うか結論にはぶっとんだというか。とりたてていい意味でもなく。そうか神か。うんT.M.ちゃんだもんね。みたいな。
ていうか最近の映画だとご本人は大層TEDにハマっておられたのは知っていましたが、アプリ入れて愛でていたああいう感じはライブには持ち込まないのですね。あ、MCに持ち込んでいるのか。おおいに。
まあ映像に関しては、おじさんに色々諭される受身系西川ちゃんというか見上げる系西川ちゃんを楽しむPVだと思っておけば。
しかし割と長い年月続いた、小芝居コンセプトライブ指向に関してのファンとの水面下の小競り合いの成果なのか、構成自体はライブ感を削ぎすぎないように工夫されていたのではないかと。フィルム自体は台詞が多く親切設計。バラードのあたりは多少長くなりますが、アップテンポの曲だと盛り上がりを一時停止させる程の間は空かない仕様になっていました。ただ、バラードゾーンの曲間、ビデオタイムで貴教さんはステージの真ん中で静止状態でいるタイミングで客席のお子様がぎゃん泣き、あまりの絶叫ぶりに場内大爆笑という不可抗力で流れが止まる瞬間はありましたがねww


衣装的には今回割と分かりやすく白ver.と黒ver.あと終盤遠目にドレスと見紛う純白のスカートみたいなのがついた衣装で登場していましたね。今にも嫁に行きそうでした。それからアンコール用。ジャージのセットアップで、新堂本でもこの格好で収録したと。効率よく広範囲のファンのお揃い欲を掻きたてさせようという作戦ですね。流石です。
アンコールでようやくMCタイムになるわけですが、ここで「ようやく」と自分でも言ってました。自分でそういう構成にしたんだろうとw
まあ色々な思いを込めて作った映像だそうですよ。しかしその映像が「・・・まさか、あんなに赤ちゃんに泣かれるとは・・・」と、ハプニングをネタにぬかりなく笑をとります。あれ、ステージの上にも聞こえているんだろうな、止まってるの気まずいだろうなと思っていたのですが、やはり。「何がそんなに恐かったのかなあ?」と首を傾げる貴教さん。まあ幼子には大音量自体が脅威でしょうねえ。
で、NHKホールはいつ以来?という話になり、そういうデータベース的機能はすっかりファンに頼る宣言。しかるに客席から答えは出たのですが、その際にツアータイトルを略称で答えれられたらしく「そういう略すのやめて!にちゃんみたいに!」と。「漢字一文字にしたりするでしょ!『LOVE SAVER』は鯖とか!」よく知っていることw
そして先のツアーから引き続いている「カタカタカタカタカタッ」ネタもまたやっていました。前回は「Twitterとか」と言って「カタカタカタカタカタッ」とタイピングの音を織り交ぜながら苦情ツイートをするファンを演じていたわけですが、正直Twitterそんなに書けねーよ、と思っていたのが今回は「掲示板とかに!書くんでしょ!」になっていたので、おお進化したなと。進化?
あとは『Preserved Roses』が好調で「演歌のようにじわじわ売れている」と言っていまして。その「演歌のようにじわじわ」という言い回し『Heart of Sword』のときも言ってたなと思ったら本人の口から「『Heart of Sword』みたいに」と出ましたよ。あれがじわじわ演歌みたいに売れていた頃にはじめてNHKホールでライブをやれた、と思い出語り。ちなみに私もそのライブ行っていましたw偶然にも開演前に思い出していました。あのライブには恥ずかしい思い出もあるのですがねw
で、貴教さんのお話は、あの頃みたいな波がまたくるんじゃないかなーみたいに続いていったわけです。
印象に残ったMCの内容はこれくらいですかね。次は終わったらなるべく早急にMCの内容をまとめておきます。
ああそうだ、NHKホールは何年ぶり?という話の際に「20年ぶり!」と嘯くファンがいまして「20年前だったら俺前のバンドで微妙な時期だよww」と自虐ネタを少しやった挙句柴崎さんに「いいなあ、20代前半にヒット曲がある人は。WANDSだもんなー」と水を向けて困らせるという一幕もありました。
それと、客席でお客さんが光らせる系?の応援グッズを、MJの収録時に他所のアーティストのファンの方が持っているのを見て「いいなあ」と思ったとかで、ああいうのはあっていいか?ないほうがいいか?と客席のお客さんに挙手だったか拍手だったかで意見を求めていましたよ。最終的に「大きい会場限定ならアリ」という案が一番の賛同を得て、貴教さんも納得。企画を進めようという気になったようです。「T.M.Revolutionは民主主義です!」と宣言。設問も昨今の世論調査よりも正確に意図を汲み取ろうという意欲が見えましたよw
そしてラスト、喉の件に触れ「心配おかけしました!」と。「でもお前らがここにいる限り俺は戻ってくるから!」更に「今日はとても新鮮な気持ちで歌えた。それは多分皆の見守るようなあたたかい視線のおかげ」なんてサービストークに繋げ、MCの匠の妙技を見せ、ライブは楽しく終了したのでした。

世界選手権ペアSP

ようやく世界選手権の録画消化に着手しますよ。えむぞうです。コンバンハ。画質的に、見るのに時間がかかっても消した際の見返りが少ない気がしてしまうのがアレで、これまで放置していたのですが。


とりあえずペアからです。
最初に、ミニマムスコアが変更されたお知らせから。
ペアは随分下がったなという印象です(SP28.00→24.00 FS45.00→41.00)元々競技人口の少ない種目ですので、人減らしに何の得があるのかという印象はありましたが。


1G
一番滑走、クラトカ/クルシンスキーの楽曲情報にマートンの名前を見て「ああ・・・」と思いつつ、難易度はそれほど高くないものの出切ることをきちんとやった演技に幸先がいいとうなずいた後はスイ/ハンとマリちゃんの組。この2組は怪我明けで、スイ/ハンに至ってはこれが今季初戦。スイちゃんのソロジャンプの転倒があったものの、全体の動きはよく、思ったほど怪我の影響はないのかと安心しそうになったのですが、滑り終わった後の表情がとても辛そうでした。
マリちゃんのところは、男性の転倒からの巻き込みでディダクション2がなんとももったいなかったです。それまでは、このグループの中では一番洗練された動きを見せていたのですが。


2G
カステリ/シュナピアのスロー3Sの爽快感に喝采し、演技中に笑顔を見せたペンちゃんに感慨深くなりデラモニカの相方に、NHK杯のとき「マッテオやる気出せよ・・・」と思わず手帳に走り書きをした事を心の中で謝罪した、そんな第2グループでした。


3G
6分間練習では、最近何故か定番化している会場内暖房のお話。そして今回もまた語り継がれる極寒のベルンユーロ。あまりの寒さにスイス軍が軍用毛布を配ったという。こんな形で伝説化するとはね。何があるかわからない世の中です。


これまでの流れ的に、そろそろ正統派のきれいな曲が聴きたいな・・・クラシックとか・・・と思っていたところでシメカ/クニエリムの『月光』が来たものの、コロラドのあの女性コーチの組となっては「何度目だ月光」状態と言いますか、本当に何度あのコーチのところの選手の『月光』を見ただろうという思いにとらわれ、次のブルガリアMAKKAROVA/KENCHADZEの曲目欄に『タンゴ・アモーレ』とあるのを見て落胆し、ユーロ勢のとりあえずマートンを使ってみる傾向はいつまで続くのかと考えつつキス&クライに座るルタイに喜び、続くケンプ/キングの『ドクトル・ジバゴ』にようやく安らぎを得たところで解説の岡部さんの「この組はつま先をを伸ばすとか姿勢とかにもう少し気を使えたらもっとよくなるのにってずっっと思っているんですよね」というもっともな指摘が、それまでの実況アナの「8年出続けているお馴染みのカップル、がんばっています」という論調に逆ベクトルの重みを加えてしまった現象に心が震えている中出てきたヴァネッサ達の組の曲が途中でサフリ・デュオに変わるに至って、おふらんすここにあり!と変なテンションで喜んで終わる、そんなグループでした。


4G
まずは地元のムーアタワーズ/モスコヴィッチ。今季ペアのSPの中では間違いなく一番のお気に入りのPGでいい演技で嬉しいうえに、更に岡部さん「音がないところの表現もいい。そういう面でお手本のようなステップシークエンス」とか言うので、ついもう一度見返してしまったじゃないですか。即リピートでも見飽きないこのPGはやっぱり名作ですよ。
続いてサフゾル。今季はサフチェンコの体調不良だったり賛否の分かれる衣装だったり*1、色々歯車がかみ合わなかったこの組ですが、やはり完全復調とはいっていない風の演技でした。しかし、シーズン序盤の挑戦的な衣装も私は好きでしたが、今回の(比較的)シンプルな衣装はステップシークエンスでのサフチェンコの身体の動きのきれいさを目立たせるので、これはこれで悪くないなと思いましたよ。
ベルホタは、ユーロで銅メダルをとったわけですが、そういう大きな成果を得た次の大会というのは往々にして難しいものになりがちですよね。まあこういう事もステップのひとつですね。ところで、6分間練習で、頭頂部に透明感をたたえた男性がいるなーと思っていたのですが、どうやらホタレックだったらしいと分かったときの衝撃を誰かと分かち合いたいものですよ。
そして川スミ。この組のソロジャンプがこんなにシャープに決まったのを見たのはいつぶりでしょう。いいときのこの組のユニゾンは本当に素晴らしい。岡部さんも喜びのあまり、「モスクワ遠征200周年記念ナポレオンの呪い」と一部で噂されたとかされないとかいう去年のフランス世界選手権のペアSPロシア勢全組転倒の話をしだしましたよ・・・


5G
6分間練習の際に、ここ数年毎シーズントップ選手の誰かがはまっている印象のある靴問題について。選手人口が増える、素材の変化等の製造する上での状況の変化にも触れられていて、個人的に認識していたよりも深刻な状況になりつつあるのかなという印象でした。


こちらも怪我持ちのパントン。中国勢怪我持ち多いですね。膝が大変な状態らしいトン兄を心配していたら、パンちゃんがステップでお手つきをしてしまいましたよ。
デュハラドは、ふと気付くとこのSPはルッツだらけなのですね。ソロジャンプもスロージャンプもルッツ。しかも今回のみたいなクリーンなルッツはシングルでもなかなかお目にかかれない出来でしょう。なんとサフゾルを上回る点が。ルッツ強し。
そしてこちらも色々あってお久しぶりのバザラリ。大小ミスが色々あったわけですが、それでも『愛の夢』がこの組に「似合う」と思えていることに我が事ながら驚きました。これまで、きれいだけど音楽が変っても印象が変らない・・・というところがあったと思うのですが。まあバザロワちゃんのルックス自体が美しい曲に似合っているのですが。あとラリオノフの衣装も、今回はちゃんと彼に似合った色なのもいいですね。
そして最終滑走がヴォロトラ。このチームになってから、トランコフは目に見えてチョーシ乗ってる感ありありですが、ターニャも新しい魅力が開花したように思えますね。ツイストの高さは安定して異常レベルでした。
実況アナが演技を称えるべく表情の演技に触れて「トランコフが不敵な笑みをうかべてみたり・・・」と言ったところで私は思わず「不敵wなw笑みwwそれがウザンコフなんだよwww」と声に出して笑ってしまいましたが、岡部さんも「不敵な笑み」がツボにはまったらしく大いに受けていました。
その後、プレスカンファレンスで「ロシアの五輪に向けて国内からプレッシャーを感じますか?」という質問に「感じているのはプレッシャーではなく愛です」と答えたトランコフさん。思わず「かっこいー!」と口走ってしまいましたが、この言葉には岡部さんも感銘を受けた様子。おや、私は結構岡部さんとツボが近い?wちなみにうちの母は「うざっ!w」と爆笑していました。

*1:まあこの組にはよくある事ですが

唐突に『Small Island』の感想をしたためる。

突然ですが、イギリスのTV ドラマ『Small Island』の感想を書いてみますよ。見たのは12月の事なのですがね。LaLa TVで。LaLa TVの番組ページはこちら。あれっ放送予定が(・∀・)!
勿論ベネディクト・カンバーバッチ目当てで見ました。


第二次世界大戦前後、イギリスとジャマイカを舞台に、1人の黒人男性を巡っての2人の女性の数奇な運命を描いたドラマ・・・といったところでしょうか。黒人男性ね、マイケルその1ね、ひどい奴なんですよ。女好きで薄情で口説き上手、悪運だけは強いという厄介なタイプのこの男の為に、2人の女性の人生が狂っていくというか、2人の女性以上にそれぞれの夫が大変だけどそこはあまり斟酌されていないみたいな、そんなドラマでもあります。ベネディクトはその夫のうちの1人ですw
女性の1人はジャマイカで私生児として生まれ養父に育てられた、イギリスでの生活を夢見るホーテンス。もう1人は生家を嫌い、外の広い世界を夢見て、ヨークシャーからロンドンに出てきたイギリス人女性クイーニー。2人の女性の愛情と苦悩の物語の背景に、当時のイギリスの(旧)植民地に対する扱いや、人種差別といったイギリス社会の有り様が浮かび上がってくるところが面白かったです。
ホーテンスが、まあなかなかにアクの強いキャラクターで、ジャマイカからイギリスに渡るべく計画を実行していくあたりは、驚異的な行動力と思い込み力で突き進んでいく姿に若干呆れもしますが、こういうタイプがいないと話は転がりませんからね。
クイーニーはクイーニーで、現代の社会の価値観を当たり前に感じている自分にとっては、人種差別の意識を殆ど持っていない彼女に好感を持ちますが、多分彼女も変わり者なのでしょう。当時の社会の中では、地域の暗黙のルールを乱す少し困った存在として描かれています。


ホーテンスは一緒に育ったマイケルが初恋の相手で、子供の頃から彼と結婚してイギリスで暮らす事を夢見ていましたが、最悪の形で初恋は破れ、マイケルはイギリス空軍に入れられ、彼女も養父の元を離れて師範学校に入り、教師になるための勉強をはじめます。
クイーニーはロンドンで面倒を見てくれていた叔母が急死し、両親に家へ帰るように言われますが、それを嫌がり、求婚されていた、いい人だけど面白みのない銀行員のバーナードと結婚します。この、いい人だけど面白みのないバーナードがベネディクトなのですが、彼はこのドラマでは8割がた震えています。前半は、初めて会って以来夢中になってしまったクイーニーに、たどたどしく求婚をしたりとか。そして出征による長い不在を経ての後半は戦争神経症に苦しんでいます。余談ですが、昨今は素敵だのせくしーだの言われているベネディクトが、登場してすぐに「男は顔じゃないのよ」とか評されているのがおかしかったです。他人の評価なんて何かのはずみで簡単にひっくり返るものなのですね。


バーナードだけでなく、後にホーテンスの夫となるギルバートも、ホーテンスに(どういうわけか)夢中なのですが、女性2人ともマイケルに心を奪われているわけですよ。ひどいですねー。このドラマの中では、頭がよくて優しく礼儀正しく気さくなギルバートが一番いい男だと思うのですが、当初ホーテンスは自分の目的のために利用する事しか考えていなかったし。
クイーニーに至っては、戦時中にマイケルと偶然知り合い「ハリケーンのような」恋に落ちて、マイケルの子どもを妊娠するという。ちなみにマイケルは、戦後ふらっとやってきてクイーニーと週末を楽しく過ごした後カナダへ渡ってそれっきり。子どもの事など知りようがない。


クイーニーの夫のバーナードは、ある理由によって戦争が終わってもいつまでも帰ってこなかったので、生活のためにクイーニーは家の空いている部屋を使って下宿を始めるのですが、その下宿人がギルバートと友人、後にホーテンスが加わります。
しかし急にひょっこりバーナードは帰ってくるわけです。帰ってきたら家に黒人が3人も下宿していて、近所から白い目で見られているわけです。バーナードも下宿人たちに対して嫌悪感を隠すことなくあたります。
こんな辺りから、某雑誌にはこのバーナード「小物感漂う」とか書かれているのですが、こういった偏見に関しては「そういう風に育ったから」と言うしかないのではないかと。この時代においては。自分が人種差別はイカンと思うのも、そのように教えられたからですし。ましてバーナードは、子供の頃からずっと同じ家に住んでいて、恐らくあまり変らない面々に囲まれて育っているわけですし、当時はそういった差別意識を否定する声も殆どなかったのではと思います。差別感情以外では、バーナードはとてもいい人なのです。誠実だし。時々突飛な行動を起こしますがw


そんなバーナードにとって更にショックな事に、最愛のクイーニーが肌の色の黒い子どもを産むのです。
流石にこれにはバーナードも愛想を尽かすかと思いきや・・・「I'll never stop loving you」とか言って、クイーニーを責めず、更に子どもをクイーニーと育てる決意までしてしまうのです。なんだそれ!いい人通り越して恐い!(←)声はいいけど!
バーナードにとっては、クイーニーはそれだけ特別なのでしょう。いい人だけど面白みのないバーナードが、クイーニーに言われた事を気にして志願兵として戦地へ赴き(突飛な行動と思ったのはこれです)、生まれ育った環境から自然に持っていた差別意識や嫌悪感も、クイーニーのためなら脇に置いてしまえる。
私の印象としては、このドラマのバーナードの役割は、当時のイギリスの社会を象徴的に体現する人物ではないかと。決して悪人ではないけど、罪悪感もなく有色人種に対して偏見を持っている。「肌が白いだけで優れているのか?」とギルバートに問われるシーンがあるのですが、その瞬間まで、自分がそう思っていることに気付いてすらいなかったように見えました。
そして彼と同じように、その後のイギリスの社会も、自分達の価値観を問い直し、または何がしかの特別な出会いなども経て、少しずつ意識の変化が広がっていき、現代に至っているという、そんな事が示唆されているラストでした。
ベネディクトは、このドラマの中でのそうした役割を認識しながら演じていたと思います。そして、この人の役に対するアプローチの仕方が好きだなーと思ったのでしたwそうそう、バーナードが戦争が終わってもなかなか家に帰って来なかった理由というのが、深刻ではあるけれどうっかりするとちょっとギャグになってしまうような内容なのですが、それを告白するシーンでもあんな理由なんだけど心に染み入る演技でしたよ。ツッコミ入れたくなる理由なんだけど。


主演でないベネディクトの話で締めるのもなんですので、彼のシーン以外で好きなシーンでも。
生まれてすぐに養子に出されたホーテンスは、ドラマの序盤では自分の経歴を偽って人に語るのですが、ラスト近くに自分を手放した母の気持ちを理解してギルバートに語るシーンが好きですね。そのシーンがと言うか、ドラマの中で起こることに必然性を持たせる仕掛けと、キャラクターの成長を象徴的に見せる流れの作り方、両方の上手さに感心しました。
ベネディクト絡みでいくつか見た映画やドラマで、作品の主要なメッセージ以外の部分でも、脚本などでの見せ方に感心させられた事が何度もあり、そうした事を書き留めておきたくて、ブログで感想文を書くようになったのです。これもその内感想を書こうと思っていたのですが、今になったのは、まあ世間で色々あるのを見るうちに、このドラマの事を思い出したので。
差別はだめよ、という、割と私は子供の頃から当然の事として受け取っている感覚も、先人の努力によって獲得されたものなのだな、と。

『UNRER:COVER 2』聴きながらヨタ話・6

喉に刺さった小骨のように、中途半端で中断していたこれをやっちまおうと思うえむぞうですよ。コンバンハ。
そんなわけで、すっかり間が開きましたが、これでラストです。

Tom-H@ck氏アレンジ。
原曲は私的には、歌詞やライブアレンジは好きだけど、CD音源は音がちょっと苦手という曲だったのですよ。しかし逆に、ああいう音がたまらなく好きな人も居るのだろうなという、個性の強い曲でした。
今回のアレンジは、ライブのテンションを持ち込みつつ、元の音源のテイストをさり気なく残せていて良いのではないかと思いましたよ。

  • vestige-ヴェスティージ-

松谷卓氏アレンジ。オーケストラver.ですね。普段からオーケストラっぽいアレンジはやることもありますが、生の弦は音の手触りが違います。柔らかさや温かさをより感じます。それに引っ張られるように、貴教さんの声も少しいつもより柔らか味が出ているような気がしますよ。こういういつもと違う楽器と声を交わらせるような試みはもっとやればいいんじゃないかな。そういう意味で、アンカバ2のプロモーション時に出演したMフェアや僕らの音楽でのコラボはどれもよかったですね。

  • Tomorrow Meets Resistance

HOME MADE家族アレンジ。
これがあったからT.M.R.のファンになった曲その2。このアルバムの中では。経過的にはその4くらいですかね。
初聴きがイナズマだったので、そのときの楽しかった印象が先にたって、あまりあれこれ言えません。あれこれ言ってもイナズマにみくちゃん出てきて「飛び跳ねろC'mon!」とか言われてイエーイってやっちゃうんでしょ結局。みたいな。

大西省吾氏アレンジ。
完全生産限定盤のみについているボーナスディスクに収録されています。
実は、この期に及んで初めて聴きました・・・。だってパンツ付ケース大きくて開けるのが面倒で・・・世界選手権もあったし・・・。
しかし私はなんという事をしていたのでしょう。いいじゃないですか。新たなドラマ性が生まれているじゃないですか。元々アニメの挿入歌でドラマティックだったのですが。ドラマティック一辺倒でなく、コントラストがついて繊細さが加わっています
しかしこの曲、いいメロディだったのですね。あの方時々アレンジでメロディの良さを殺す事があるからな・・・
しかし残念ながら、ポータブルプレイヤーの容量が今いっぱいいっぱいなのですが、開けるのが面倒くさい完全限定盤の蓋を開いて再びこの曲を聴けるのは次はいつになるのやら。