世界選手権ペアSP

ようやく世界選手権の録画消化に着手しますよ。えむぞうです。コンバンハ。画質的に、見るのに時間がかかっても消した際の見返りが少ない気がしてしまうのがアレで、これまで放置していたのですが。


とりあえずペアからです。
最初に、ミニマムスコアが変更されたお知らせから。
ペアは随分下がったなという印象です(SP28.00→24.00 FS45.00→41.00)元々競技人口の少ない種目ですので、人減らしに何の得があるのかという印象はありましたが。


1G
一番滑走、クラトカ/クルシンスキーの楽曲情報にマートンの名前を見て「ああ・・・」と思いつつ、難易度はそれほど高くないものの出切ることをきちんとやった演技に幸先がいいとうなずいた後はスイ/ハンとマリちゃんの組。この2組は怪我明けで、スイ/ハンに至ってはこれが今季初戦。スイちゃんのソロジャンプの転倒があったものの、全体の動きはよく、思ったほど怪我の影響はないのかと安心しそうになったのですが、滑り終わった後の表情がとても辛そうでした。
マリちゃんのところは、男性の転倒からの巻き込みでディダクション2がなんとももったいなかったです。それまでは、このグループの中では一番洗練された動きを見せていたのですが。


2G
カステリ/シュナピアのスロー3Sの爽快感に喝采し、演技中に笑顔を見せたペンちゃんに感慨深くなりデラモニカの相方に、NHK杯のとき「マッテオやる気出せよ・・・」と思わず手帳に走り書きをした事を心の中で謝罪した、そんな第2グループでした。


3G
6分間練習では、最近何故か定番化している会場内暖房のお話。そして今回もまた語り継がれる極寒のベルンユーロ。あまりの寒さにスイス軍が軍用毛布を配ったという。こんな形で伝説化するとはね。何があるかわからない世の中です。


これまでの流れ的に、そろそろ正統派のきれいな曲が聴きたいな・・・クラシックとか・・・と思っていたところでシメカ/クニエリムの『月光』が来たものの、コロラドのあの女性コーチの組となっては「何度目だ月光」状態と言いますか、本当に何度あのコーチのところの選手の『月光』を見ただろうという思いにとらわれ、次のブルガリアMAKKAROVA/KENCHADZEの曲目欄に『タンゴ・アモーレ』とあるのを見て落胆し、ユーロ勢のとりあえずマートンを使ってみる傾向はいつまで続くのかと考えつつキス&クライに座るルタイに喜び、続くケンプ/キングの『ドクトル・ジバゴ』にようやく安らぎを得たところで解説の岡部さんの「この組はつま先をを伸ばすとか姿勢とかにもう少し気を使えたらもっとよくなるのにってずっっと思っているんですよね」というもっともな指摘が、それまでの実況アナの「8年出続けているお馴染みのカップル、がんばっています」という論調に逆ベクトルの重みを加えてしまった現象に心が震えている中出てきたヴァネッサ達の組の曲が途中でサフリ・デュオに変わるに至って、おふらんすここにあり!と変なテンションで喜んで終わる、そんなグループでした。


4G
まずは地元のムーアタワーズ/モスコヴィッチ。今季ペアのSPの中では間違いなく一番のお気に入りのPGでいい演技で嬉しいうえに、更に岡部さん「音がないところの表現もいい。そういう面でお手本のようなステップシークエンス」とか言うので、ついもう一度見返してしまったじゃないですか。即リピートでも見飽きないこのPGはやっぱり名作ですよ。
続いてサフゾル。今季はサフチェンコの体調不良だったり賛否の分かれる衣装だったり*1、色々歯車がかみ合わなかったこの組ですが、やはり完全復調とはいっていない風の演技でした。しかし、シーズン序盤の挑戦的な衣装も私は好きでしたが、今回の(比較的)シンプルな衣装はステップシークエンスでのサフチェンコの身体の動きのきれいさを目立たせるので、これはこれで悪くないなと思いましたよ。
ベルホタは、ユーロで銅メダルをとったわけですが、そういう大きな成果を得た次の大会というのは往々にして難しいものになりがちですよね。まあこういう事もステップのひとつですね。ところで、6分間練習で、頭頂部に透明感をたたえた男性がいるなーと思っていたのですが、どうやらホタレックだったらしいと分かったときの衝撃を誰かと分かち合いたいものですよ。
そして川スミ。この組のソロジャンプがこんなにシャープに決まったのを見たのはいつぶりでしょう。いいときのこの組のユニゾンは本当に素晴らしい。岡部さんも喜びのあまり、「モスクワ遠征200周年記念ナポレオンの呪い」と一部で噂されたとかされないとかいう去年のフランス世界選手権のペアSPロシア勢全組転倒の話をしだしましたよ・・・


5G
6分間練習の際に、ここ数年毎シーズントップ選手の誰かがはまっている印象のある靴問題について。選手人口が増える、素材の変化等の製造する上での状況の変化にも触れられていて、個人的に認識していたよりも深刻な状況になりつつあるのかなという印象でした。


こちらも怪我持ちのパントン。中国勢怪我持ち多いですね。膝が大変な状態らしいトン兄を心配していたら、パンちゃんがステップでお手つきをしてしまいましたよ。
デュハラドは、ふと気付くとこのSPはルッツだらけなのですね。ソロジャンプもスロージャンプもルッツ。しかも今回のみたいなクリーンなルッツはシングルでもなかなかお目にかかれない出来でしょう。なんとサフゾルを上回る点が。ルッツ強し。
そしてこちらも色々あってお久しぶりのバザラリ。大小ミスが色々あったわけですが、それでも『愛の夢』がこの組に「似合う」と思えていることに我が事ながら驚きました。これまで、きれいだけど音楽が変っても印象が変らない・・・というところがあったと思うのですが。まあバザロワちゃんのルックス自体が美しい曲に似合っているのですが。あとラリオノフの衣装も、今回はちゃんと彼に似合った色なのもいいですね。
そして最終滑走がヴォロトラ。このチームになってから、トランコフは目に見えてチョーシ乗ってる感ありありですが、ターニャも新しい魅力が開花したように思えますね。ツイストの高さは安定して異常レベルでした。
実況アナが演技を称えるべく表情の演技に触れて「トランコフが不敵な笑みをうかべてみたり・・・」と言ったところで私は思わず「不敵wなw笑みwwそれがウザンコフなんだよwww」と声に出して笑ってしまいましたが、岡部さんも「不敵な笑み」がツボにはまったらしく大いに受けていました。
その後、プレスカンファレンスで「ロシアの五輪に向けて国内からプレッシャーを感じますか?」という質問に「感じているのはプレッシャーではなく愛です」と答えたトランコフさん。思わず「かっこいー!」と口走ってしまいましたが、この言葉には岡部さんも感銘を受けた様子。おや、私は結構岡部さんとツボが近い?wちなみにうちの母は「うざっ!w」と爆笑していました。

*1:まあこの組にはよくある事ですが