読了

翻訳モノには若干の読み辛さを感じるえむぞうですよ。コンニチハ。
先日図書館で借りたコレ↓を、ちんたらちんたら読み進め、ようやく読み終わりましたよ。
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翻訳モノです。


苦手とかいいながらなんで読むのかというと、やはり今現在自分の中で大ブームのあの人絡みですよ。ベネディクトですよ。
3月16日から放送されるこれのラジオドラマに出演するのだそうで。
まあラジオ自体を私が聴くかどうかは分かりませんけどね。英語だしー。世界選手権のクライマックス時期ですしー。しかもこの日はStand Up! Japanのネット放送もあるのですよ。何故3月16日に固まるのでしょうね。高橋大輔の誕生日だからでしょうか。きっとそうだ(関係ない)。


で、聴くか分からないけどなんで読んだのかというとですね。
ベネディクトの役柄が天使らしいのですよ。
まあ、この時点では「フーン」程度の反応だったのですがね。
追加情報で「下水道に住む天使」とか見てしまって
`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!
となりましてね。


なんだその愉快な設定!
と、俄然興味がわきましてね。図書館のサイトで蔵書検索をしたら運よくあったので、取り急ぎ借りてきたわけです。


ちなみに、この愉快な設定について母に話したところ
「でもロンドンの下水道ならそれくらいありそうじゃない?」
と返ってきましたよw
そりゃまあ、どこかの駅には9と4分の3番線とかあって魔法学校に通じたり、クリスマスには毎年宇宙人が襲撃するようなところですからねw
実のところ天使は別に下水道に住んでいたわけではありませんでしたが。


そんな感じで勇んで借りてきたものの、翻訳モノが苦手な事や別件で忙しかったりでなかなか読み進まなかったのですが。
それでも読み終わってみると面白かったですよ。


ストーリーをざっくり書くと、ロンドンに住む善良な若者のリチャードが、ある夜路上で大怪我をしたホームレスと思しき少女(ドア)を助けるのですが、その少女曰くロンドンの地下には上のロンドン(London above)の人々の知らない下のロンドン(London below)が存在しており、彼女はそこから来たと言うわけですよ。
そして、その少女に関わった事で、リチャードもまた地下の異世界に落ち、上のロンドンの生活を失ってしまうのですね。
というわけで、少女をつけ狙う2人組みの殺し屋から逃げつつ、上の世界の生活を取り戻すべくロンドンの地下の異世界を奔走する・・・みたいな話です。ファンタジーですね。何かの解説によるとダークファンタジーだとか。
下のロンドンはやはり地下なので、下水の水だったり泥の中を歩いていったりという描写が多いのですよ。上のロンドンでは廃線になった駅だとか、すでに上の世界にはなくなったものとかが下のロンドンには存在しているし、ネズミが偉かったり暗闇に人が取り込まれて消えてしまったり、そいつを倒す為に挑んだ多くの人が犠牲になった伝説の獣がいたりする非常に危険で陰惨たる世界なのですね。なるほどダークファンタジー。
天使というのは、2人組みの殺し屋に殺された、少女の父の遺した言葉に従って、少女が助力を求める天使イズリントンでして、下のロンドンを長く見守っているのですね。下のロンドンの前にはアトランティスにいたとか。いやはやなかなか大層な設定ではないですか。


こんな異世界で生きる人々ですから、登場人物のほとんどは共感できないのですよ。でも共感できないけどキャラ立ちしていてなかなかに愉快です。
主人公のリチャードは「善良な」と書かれてはいても、裏を返せば気弱で主体性がなく他人に流されやすい、到底地下の世界では生き延びる事ができなそうなタイプです。そんな彼ですので、当初は地下の住人達はひどく冷たくあしらう(もしくはリチャードがそう感じるような態度というか)のですが、ストーリーが進みリチャードが地下の世界により深く関わっていくにつれ、常軌を逸した世界に住む常軌を逸した登場人物達にもまた違った部分が垣間見えてきます。そうした部分が見えてくることが要するにリチャードが異世界での冒険を通して成長していく事の証でもあるのでしょう。この辺ファンタジーの王道ですよね。冒険を通して成長する主人公。つまりそういう話なのです。
こういう話だと、私は基本的に主人公にあまり思い入れないのですよね(笑)今回も読んでいてなんとなく愛着が沸いたキャラクターは老ベイリーだったり殺し屋の1人のヴァンデマールだったりカラバス侯爵だったりしたわけです。
殺し屋2人組みのやりとりはなかなか面白いですよ。非常に残忍でひどい奴らなのですが、お互いに対してはそうではなく。全くもって似たところのない二人で、頭の良さなんかもものすごく差があるのですが、アレな方のヴァンデマールに対してアレでない方のクループがなかなかな世話焼きぶりなのですよ。目に見えてかいがいしくではなく、ナチュラルに分かった風に接しているのですが普通に考えたらすごい世話焼きなのですよ。普通に考えたらちょっと我慢できないレベルの事を我慢している風でなく対処するのですよ。残忍な殺し屋が(笑)


しかし、ロンドンの地理だったり地下鉄にについてだったりをもっとよく分かっていたらもっと楽しめたかもしれないと思いますね。


ラジオドラマ的に気になった点は、主役のリチャードを演じるのはジェームズ・マカヴォイなのですが(なんという豪華なキャストのラジオドラマか)、作中のリチャードの風貌に関する描写が結構イメージが被るのですよ。

若々しく少年のようで、黒い髪はわずかにカールし、目は大きくはしばみ色だった。いつも起きぬけみたいに見える顔は異性にとって、自分で理解し、考えている以上に強力なアピールとなっていた。

いっそ普通に実写にすればみたいな。
あと、天使イズリントンが歌う場面があるのですよね。曲は『Cheek to Cheek』です。
ラジオドラマではどうなんでしょう。歌うんですかね。特段重要でないというか絶対に落とせないシーンではないと思うのですが。
ちなみに

美しく、豊かで甘い声だった。天使はすべてそうだが、音階は完全だった

という、人類にはちょっときつい注釈付でした。

一応ネタバレには配慮した方がいいのでしょうかね。
以下一応畳みますよ。







ベネディクトが天使の役という事で、ネットで見るに様々な反応・・・
。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。だったり(^_^;)だったりカッコワライだったり様々ですが。





・・・どうもそういう天使じゃなかった・・・。




なんでしょうね。マカヴォイさんと共演するとそういう関係性に落ち着きがちなのですかね。
でもなかなか演じ甲斐のある役ではないでしょうか。温かく優しく同情に満ちた声であんな事やこんな事を言うわけですよ。どうなるんだ一体。


あと、読んでいてどうにも、以前に見た「爆弾を解体中に残った赤と青の配線。犯人は「赤を切れ」と。犯人は主人公の親友」のコピペを思い出してしまいましたよ。アメリカ映画だとこう、イギリス映画だと・・・イタリアだと・・・フランスだと・・・というネタでしてね。なるほどイギリスの小説だなと。


そして最後に。イズリントン!
雇った相手にはちゃんと報酬を払いましょうよ!踏み倒そうとしないように!天使なんだし!!
なんという阿漕な。天使なのに。(踏み倒されそうになる方もなる方なのですがw)