今更五輪振り返り@ペアFS

性懲りもなく続けますよ。ってことで。
予習のページはこっち。

グループ1

6分間練習のBGMが『Poker Face』で思わず反応w

  • ハウシュ/ヴェンデ

SBS3T転倒。しかしミスはあったものの、SPより伸びやかで良かった。曲自体もフリーのほうが合ってそう。

  • コステンコたらん

タランってのが、何か「〜たらん」て日本語みたいな感じしませんか。どうでもいいですね。たらんさんは滑る前から泣きそうな顔に見えるのは仕様なんでしょうね、やはり。
予習の方で、ジプシーミュージックとか書いていましたが、実際滑ったのは『月光』でした。Bio見たときに、SPの曲も何か違うっぽいから嫌な予感はしていた。
ちょっとスピードがないのが残念。スローな曲でもスピードは必要です。スロー3Lzにはちょっと驚きました。質は今ひとつでしたがね。

  • セルゲーエワ/グレボフ

2A2Tのコンビネーションが、女性が1Tになった以外は大きなミスなく。いい笑顔で終われて良かったです。
若いペアにウエストサイドストーリーはいい取り合わせ。

  • スレイ/クルシンスキー

ロミジュリ。前に滑った組の元ネタですねw衣装がなかなかいいです。
最初のSBS2A2T、女性のジャンプが高い!やはりシングル出身だなーと感じましたよ。スロージャンプでは細かいミスがあったりしましたが、やはりこの組はスピン系がいいように見えます。とくにSBSのスピンのユニゾンがよかったです。
リフトを降ろした後、男性が何もないところで転倒したw以外は、概ねいい演技だったのではないでしょうか。


なにげに、グループ1は、SPと違ってそれなりにいい演技多かったような。やはり一番滑走でワールドレコードの威圧感は大きかったのかもしれませんw

グループ2

  • ケンプ/キング

途中から始まったorzリアルタイムでもイライラしたけど、録画で見ても精神的なダメージがくるorz
転倒はないけどジャンプの着氷乱れが多い。だけど、このプログラムは工夫があっていいプログラムではないかと。
西岡さん、最後のデススパイラルをやたら褒めるw「早くからペアに集中していたので、シングルの要素は課題がある代わりにペアの要素はいいものが・・・」SPのときと同じ事を言っていますね。いいとこ探しありがとうございますw

  • ジェムボヌ

ソロジャンプで、仲良く片方ずつ2S(女性)と1A(男性)になった以外は、大きなミスなく。ミスはあれども、これまでこのカップルを見てきた中で、一番音楽を感じさせる演技だったかも!かいじょうもすごく盛り上がった!素晴らしいー!
そして西岡さんが2人の演技前のコメントを。「まずはここが始まり。この五輪で自分達を覚えてもらって・・・(略)」・・・・・・・・・。

  • スイスっ子

リフト→スロー3ループ→ツイスト→ニセサスペンダーアピールまではいい流れだったと思うのですが。そのあとのソロジャンプ、女性がシングルアクセルになったあたりからどんどん流れが悪くなっていったような。えっと思うくらい。どうしたのかと思っていたら、スローリプレイの段階でようやく、ソロジャンプで女性が1A跳んでる横で男性が派手にクラッシュしていたことが判明。演技中はカメラから見切れていたのですね。ゴルァ!カメラ!!
ところで西岡さん、この実況中に「グループ3のスターリフトです!」とか技名唱えた!どんだけ勉強したんだ!

  • デニバレ

ソロジャンプでミスがあったものの、安定してますのー。シェヘラザードは大舞台映えしますのー。

グループ3

グループ3ともなると、6分間練習の雰囲気も変わってきますね、とふられて天野さん「風が吹くようになりますよね」と微妙にポエミーというかそんな事を。

  • エボラド

このプログラム好き。エレメンツが曲のいいところで入るし、独創的でもある。演技は、最初はソロジャンプのミス(3T2Tが2T2T)があったりして、固い印象だったけど、段々とそこもほぐれてきて、見せ場の終盤のリフトは思惑通りに(笑)盛り上がってよかった。また天野さんが夢見がちなこと言ったりもしていたし(笑)
しかし、同じく目立ったミスはソロジャンプが抜けただけだと思っていたデニバレと結構差がついたのがビックリしましたよ。プロトコルを見たら、デニバレは最初の3Tが回転不足をとられていたのですね。

  • バザロワ/ラリオノフ

課題のSBS3Tを、女性がお手つき。彼女のジャンプがなかなか悩みどころですなあ。もうひとつスロー3ループの転倒もありましたが、リフトやスパイラルシークエンスのポジションがきれい!そしてユニゾンもよい。オーソドックスなペアの美しさを持っている、やっぱりこの組は好き。予習で懸念していたタイムオーバーもありませんでした。
FSは『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のサントラを使っているわけですが、この曲はいいですね。美しさと強さがあって、ペアに合っている気がします。でも、映画がいわくつき(中国からの反発が強かった)なので、今後あまり使われることはないでしょうね。

  • ヴォロモロ

最初の3T〜3Tシークエンスで男性ステップアウト。まあまあね。次の3Sでお手つき。うん想定内。不安要素のSBSジャンプをたったと片付けてからは本領発揮。スロージャンプたっかーい!リフト片手で持ち上げてるよ!スピンは余裕の女性のポジションに必死で合わせる男性を慈しみ、スパイラルでは女性の美しさに泣く。ツイスト高い!スロージャンプでかい!リフト軽々〜。と。良かったじゃないか!SBSジャンプの失敗込みで集大成。モロゾフもうちょっと振り付け大事に滑ろうやと思わなくもないけれども。その辺も込みで集大成。天野さんの声も弾んでる!
この組は、男性のモロゾフが長年怪我に苦しんでいたこともあり、今季が2人で滑る最後のシーズンと決めていたようで。この後の世界選手権には出場しなかったので、これが最後の滑りとなりました。
WFSによると、モロゾフがヴォロソザールに、違うパートナーを探すように薦めたりもしたようですが、彼女がモロゾフと五輪に出場することを希望したのだとか。この最後の演技には特別な思いがあったことでしょう。伝わってくる演技でした。

  • デラ・モニカ/ココン

最初の3Sのソロジャンプを女性が転倒。あまり成功する場面を見ない気が・・・その他は大きなミスもなく。特に2A〜2Aのシークエンスはタイミングぴったりですばらしかった。
だけど、何故かちょっとインパクト不足に感じました。同じPGで、もっとよく見えるときもあるのですが。

4グループ

6分間練習の大幅カットはいただけないなあ。

  • ランヘイ

この『グランドキャニオン』の曲は、ちょっと繰り返しが多くて単調な印象。だけど、スケート自体は流れがあってきれいな演技でした。

『シェヘラザード』このシーズンずっと、何かが噛み合わないままここまで来てしまったような。当初の笑い話のネタになっていた衣装は変えてきたんですけどねー。
2A3Tのコンビネーションでハオ君が転倒。なんか珍しい気がします。しかし不調でもコンビネーションのセカンドにトリプルを付けるダンちゃんてすごい。今現在中国のシニア女子にセカンドトリプル試合に入れられる人いるのだろうか。しかも、年齢が上がって背が伸びて大人の体型になっていくにつれてジャンプが跳べなくなっていくのが女子選手の常なのに、24歳で身長164cmで。ただ、164cmはペア選手としては厳しい身長ですな。
転倒は残念ながらも、後半のスロー3Sでは「宙に舞いましたね」と天野ポエムが出る出来。
しかし、演技全体にいまひとつ勢いがないような。音楽が強くなるパートでは曲に置いていかれているような雰囲気を感じました。

  • ムホトラ

演技前、珍しくコーチがトランコフの手も握っている!いつもはムホルトワとだけ手を握り合っているのに!と思ったら、手を解いてみるとムホルトワがトランコフの手を引っ張ってコーチに握らせていたのでした。
ここで、録画を見ながら書いていたメモを公開してみましょう。一部手は加えていますが。

トラのイーグル(*´д`)3Tw 3S She fall イーグル(*´д`) 3T2T He hd イーグル(*´д`) 3LoTh スパイラルシークエンス。ずっとニュー・シネマパラダイスでやってりゃよかったのに。 3STh Shaky イーグルからデススパイラル SBS Spぴったり イーグル(*´д`) ペアスピン 5Li 3Li

まああれです。イーグルカウントをしたくなるほど、トランコフのイーグルは好きなのだと言う話です。しかしふんだんに使われていますね。トランコフはスタイルも姿勢もいいからイーグル映えしますからね。
まあ、後から見ればそんな風にイーグルに(*´д`)なんてやってられますが、リアルタイムで見ていたときは結構息をつめて見ていましたし、必死に持ちこたえようとしている雰囲気を、彼らから感じました。この五輪を乗り越えて、この先彼らの感情表現が深まっていったりするんじゃないだろうか。そうなったらいいな。これがあったから自分達は強くなったとか、いつか彼らが言えればいいな・・・なんて思っていた時期が私にもありました。

  • デュベデビ

映画『追憶』より。
相変わらずジェシカが3S失敗したーよ。スピンがズレて、スロージャンプでステップアウト。まあ通常営業と言いますか。
しかし、このプログラムはつなぎの部分がドラマ性を感じさせる振り付けで本当に素敵です。ジェシカの演技力もいい。

グループ5

  • 川スミ

スロー4回転への挑戦が期待されていた中で、3回転にしてお手つき、そしてその後ミスを重ねてメダルを逃したという展開に、当初はひたすら悠子ちゃんのことを思って悲しんでいました。
でも録画見直すと、大きなミスしてるのスミルノフの方でしたね(杉爺理論によると、スローの失敗は大抵男性の側の問題らしいですし)。私の中でスロー4Sは川スミのものというより悠子ちゃんのものだったという事なのでしょう。なんかごめん、スミ。彼だって、まだ若いしペア組んで3年半くらいでロシアのエースとして五輪に出てメダルを狙うというのはハードなお話ですよね。
残念ながら今回は、2人にまだ来るべき時が来ていなかった、という事なのでしょう。多分。

  • サフショル

愛と哀しみの果て』サフチェンコの眉は前髪で隠れていませんでした。
3T〜3Tのシークエンスのセカンドが2Tになって、2Aでゾルコヴィーが転倒して、スピンがややズレ、リフトのポジションが少し乱れて、と、目に見えるミスは結構多かったのですが、それでもPGを作品としてまとめられる力量を感じさせられました。
演技に目に見える乱れがあっても、前に滑った川スミに結構な点差を付けて上回ったわけですが、プロトコルを見ると川スミは盛大にレベルを取りこぼしているんですね。こういう、ミスがあってもしっかり取るべきところで点を取れるというところも、やっぱり経験の差とかそういうものなのかなみたいな。

  • パントン

とにかく最初のソロジャンプ2つが無事に済めば、あとは安定しているこの組。その問題のソロジャンプ2つがきれいに決まったので、これは・・・!と。しかし、いやいやまだ序盤だから・・・と自分に言い聞かせ、しかし2つのスロージャンプもばっちり美しく決まったところで、これは来た!!ノーミスいける!!!!と確信し涙が出ましたよ。今季ペアでは1・2を争う名PGの完成品が出る!!!と。
最後の立て続けのリフトで観客を圧倒して、場内スタンディングオベーション。いやー、いいものを見ました。ありがとうパントン。
あ、ちなみに予習の方で久石譲の曲と書きましたが、どうも違うみたいです。バイオにはJoe Hisaishiって書いてあったんですけど。何らかのミスなのでしょうね。でも荒川さんが以前インタビューで語っていた使用曲にカンスルエピソードを思い出すと、そんな事もあるのかなと思ってしまいますw

例の世界選手権優勝→氷上のプロポーズ→結婚それから2シーズンショーに勤しんだ後に復帰、出る大会全てで優勝して、大本命の五輪ではSP1番滑走→FS最終滑走。どんだけ劇的なんだこの組。
しかし最終幕は、やや筋書きに狂いが生じたのか、リフトで女性がバランスを崩して、途中で降りてきてしまうというらしくないミスが。しかしその後を堅実にまとめ、演技が終わった後はどこかホッとしたような笑顔の宏博さん。SPのいい演技はバレンタインの贈り物だとか余裕かましているように見えても、やはりものすごい緊張感の中でこの五輪の時間を過ごしたのだなと思いました。あと「やっぱり人間だったんだな」みたいな事をちょっと思ったりw
キスクラでは、アナウンスを聞いて優勝を知り喜んでいましたが、TVで見ている側は、画面の表示で少し先に優勝が分かっていたので、画面の中の心配げにアナウンスを聞く2人に「優勝ですよ!」と声をかけたくなったものでしたがwまあそれもなかなか乙な時間でしたなw


蛇足。
天野さんの解説いいですね。基本抑え目のトーンで、演技の出来によって微妙に上下するところが楽しいwそして、時々つぶやく詩的な一言も、何処かのアナウンサーみたいに用意してきたものでなく、演技を見ていて自然に出てくるもの故、スケート愛を感じます。


おしまい。