男子FS予習

そろそろ「ガンバレ!ニッポン!」の煽りに食傷気味のえむぞうですよ。コンバンハ。この言葉の中に、そこはかとなく脅迫めいたものを感じることもあったりなかったり。選手に対しても、見る側に対してもね。


それはれとして、明日は男子FSという事で、予習です。日本人選手は、皆知ってるでしょって事で割愛で。

グループ1

面白いPGを演じる、ヨーロッパ圏の個性派が多く集まりました。カナダの人もいますが。
SPの順位的には下位でも、退屈はしないと思いますよ。


1.Tomas VERNER(トマーシュ・ベルネル)
チェコ代表。SP19位、65.32点。
SPは悪いトマーシュでしたねorz
最初の4Tが2Tになった後、ああああああコンビネーションが...ででででででも、下手にリカバリー狙ってルッツにうっかり2Tつけちゃったら、ジャンプの重複でルッツコンボがきっくあうとととととととでいつかのチュー杯の悪夢再びにいいいいいいいいいいいいいい...と、恐れおののきながら成り行きを見守りました。ルッツに3回転をつけたときには、あんな状況なのに「よし!トリプル!!学習した!!!」とうっかり喜んでしまいました。 そしたらその後解説で本田君が「最初のトゥループが3回転と判定されたら、最後のコンビネーションが無効に...」と恐ろしい事を。そうなったら確実にSP落ちいいいいいいいいやああああああ!と、わずか数分の間に激しい気分の乱高下をSPでは味わわせていただきましたよ。
フリーは『ゴッドファーザー』前髪を上げるとイケメン度が増すのです。


2.Paolo BACCHINI(パオロ・バッキーニ)
イタリア代表。SP20位、64.42点。フリーは『シルク・ドゥ・ソレイユ』の音楽からのセレクション。
小芝居入り。ジャンプをミスしても、やりたい事はなんとなく伝わってくるのがヨーロッパ男子だと思うのです。


3.Viktor PFEIFER(ヴィクトール・ファイファー)
オーストリア代表。SP23位、60.88点。フリーは『アランフェス協奏曲』
ヨーロッパ選手権では4回転に挑戦していましたが、今回どう出ますかね。


4.Vaughn CHIPEUR(ボーン・チュピアー)
カナダ代表。SP24位、57.22点。音楽は『Go Chango』『Harlem Nocturne』『Topsy』どこかで聴いたことがある曲が次々出てきます。そんな中、某解説氏曰くの「あまり降りることを考えていないように見える」ジャンプが決まることを祈りましょう。


5.Anton KOVALEVSKI(アントン・コバレフスキー)
ウクライナ代表。SP21位、63.81点。
FSは『Stazione di Palermo』という曲らしいですよ。小芝居仕立てというかなんというか。とにかくいつでも「なんじゃこりゃー!」と叫べるように心の準備をしておくといいと思います。


6.Adrian SCHULTHEISS(アドリアンシュルタイス)
スウェーデン代表。SP22位、63.13点。FSの曲は『Teardrops』byマッシヴ・アタック 『Insane in the Brain』by サイプレス・ヒル『Smack my bitch up』byプロディジー
彼の個性派ぶりを語るには、この使用曲を並べるだけで充分な気もしますが、プログラム自体もなかなかw
しかし、今季はプログラムにもびっくりしましたが、この五輪の舞台でSPで4回転を入れてきたことにもびっくりしましたよ。これでもしかして、スウェーデン男子シングル初のクワド着氷...ですか!?

グループ2

おや、場違いな人が...
実力者の奮起に期待(心境としては祈待...でもいいかも)のグループです。


7.Stefan LINDEMANN(シュテファン・リンデマン)
SP17位、68.50点。フリーは『ハンコック』サウンドトラックより。
身体は小さめなれど、ジャンプと滑りが大きいのがベテランの味ですよ。


8.Artem BORODULIN(アルチョム・ボロデュリン)
ロシア代表。SP13位、72.24点。フリーは『Tango de Roxanne』と『Assassin's Tango』
手から薔薇が生えてます。衣装が変わっていなければ。


9.Jeremy ABBOTT(ジェレミー・アボット)
アメリカ代表。SP15位、69.40点。フリーはサン・サーンス交響曲第3番オルガン付。サン・サーンスからプロディジーまで。フィギュアスケートってすごいな。
SPは、久しぶりの大崩れでした。アクセルが1回転になったところは「あー、やっちゃったか...」くらいの気でいましたが、ルッツが2回転になったときにはベタにひっくり返りましたよ。後ろに。人生初です。最近は随分安定してきたと思っていたのですがね...
しかし2シーズン前までは、SPで大幅出遅れ(4回転を入れていたからというのもありますが)2ケタ順位から、フリーで怒涛の追い上げでいつのまにかエキシビション(4位か5位くらいまでしか出られない)に出ていた男です。フリーの強さを発揮してくれる事を期待ですよ。


10.Samuel CONTESTI(サミュエル・コンテスティ)
イタリア代表。SP14位、70.60点。フリーはアンデス民謡。シクリアダスとかカチャルパヤとか。
サン・サーンスからアンデス民謡からマッシヴ・アタックまで。フィギュアスケートって(ry


11.Javier FERNANDEZ(ハビエル・フェルナンデス)
スペイン代表。SP16位、68.69点。フリーは『パイレーツ・オブ・カリビアン』
SPは曲を変更していました。フリーも変更してやしないかいささか不安ですwが、面白いプログラムなのでたぶん変えないでしょう。変えちゃいかん。中盤のよっぱらいサーキュラーステップが面白いです。あと、ヨーロッパ選手権で4回転をいれてきているので、多分やるんじゃないかな。


12.Brian JOUBERT(ブライアン・ジュベール)
フランス代表。SP18位、68.00点。フリー『Ancient Land』他。
じゅじゅじゅじゅじゅじゅうはちい.......
演技が始まる前、画面に向かって「ジュベ!ネックレスしまえ!!お願いしまって!!」と念じていました。襟に引っかかっていたんですよ。失敗したのがネックレスのせいと言いたい訳ではないのですがね。演技前にああいうのをちょっと直す余裕があるかないかというところで、色々変わってくるのかな、みたいな。
フリーはいいプログラムですよ。トリノからの4年、男子シングルを引っ張ってきたのは誰か、証明して見せてほしいです。

グループ3

バンクーバー後を担っていくであろう世代が多く集まっています。


13.Takahiko KOZUKA
SP8位、79.59点。フリーは『ギターコンチェルト』マイケル・ケイメンと布袋寅泰。小塚君はキスクラで布袋さんのツアータオル使っていたりしますね。
私はこの曲を聴くと、野外ライブの風景を思い出します。段々と色の変わっていく空に音楽が響いている様子とか、集まった人のエネルギーとか。小塚君は、このフリーのイメージに「20世紀の出来事とか...」みたいな事を言っていたのをTVで見たことがありますが、なんとなく、感じたイメージは近いのかもしれないと思いましたよ。なんでだと言われたらややこしい話になるのですが、なんとなくね(笑)
とりあえず、最近ややネックになっているトリプルアクセルがんばれー。
あ、日本人選手は割愛するんでしたwまあいいや。書いちゃったから。


14.Denis TEN(デニス・テン)
カザフスタン代表。SP10位、76.24点。フリーはパソドブレとアランフェス。
シーズン序盤苦労していたプログラムですが、一部変更(アレンフェスをくっつけたりとか)したようです。4大陸選手権でやっていたようですが、残念ながら私は4大陸の演技は見れていないのでした。


15.Kevin van der PERREN(ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン)
ベルギー代表。SP12位、72.90点。フリーは『ロビンフッド
次世代の中に迷い込んだベテラン選手。SPはいい演技で、演技後の笑顔には思わず(*´∀`)よかったねえ。と言ってしまいましたw
最後の五輪、と言っているのですし、フリーもあんな感じの笑顔をよろしくお願いします。


16.Florent AMODIO(フローラン・アモディオ)
フランス代表。SP11位、75.35点。フリーは『アメリ』他。何故かアメリで踊りまくるヨーロッパ男子、フリー編です。ご丁寧にヒッピホップアレンジがされていたり、ショパンが聴いたら頭を抱えて苦悩しそうなノクターンのモダンアレンジが混じっていたりもしますww
SPの滑走順が早かったので、ジャンプ抜けたりしたら予選落ちの恐怖!とやきもきしていましたが、なんとパーソナルベストを更新していました。私がやむを得ずカーリングを見ている間にorzでも夜のBSの放送で捕獲できましたよ。アモディオが映ったときにはガッツポーズをして母に呆れられました。


17.Patrick CHAN(パトリック・チャン)
カナダ代表。SP7位、81.12点。フリーは『オペラ座の怪人
彼のオペラ座の終わり方は「しかし人々は、この後起きる悲劇をまだ知らないのであった...to be continued」とナレーションを入れたくなったりならなかったり。



18.Michal BREZINA(ミハル・ブレジナ)
チェコ代表。SP9位、78.80点。フリーは、チェコの男が魅せる『パリのアメリカ人』
SPはよかったですねー。あの怒涛の展開を、最後にさわやかに締めてくれました。あの場でノーミスで演じられるとは、大物。得点が出ての会場のブーイング(低いよ!の意味でしょう)を煽る姿にも大物感を感じました。

グループ4

言うまでもなくトップ6。勝ち負けのみに拘るのではなく、ここに残った、華も実力もある選手たちの最高の演技を願いつつ見たいところです。


19.Evan LYSACEK(エヴァン・ライサチェク)
アメリカ代表。SP2位、90.30点。フリーは『シェヘラザード』黒い衣装を着ることが多く、すっかり「黒い人」扱いの彼ですが、全米選手権でグレーの衣装だったときには、ちょっと物足りなく感じてしまいました。今までごめんなさい。黒でいいです。むしろ黒がいいですw



20.NobunariODA
SP4位、84.85点。フリーはチャップリンメドレー。
21.StephaneLAMBIEL(ステファン・ランビエール)
スイス代表。SP5位、84.63点。フリーは『ラ・トラヴィアータ』
SPは見事にランビ力が発揮されていました。フリーではワルツに乗せて、また一味違ったランビ力を披露してくれるはずですよ。


22.Daisuke TAKAHASHI
SP3位、90.25点。フリーは『ラ・ストラーダ


23.Johnny WEIR(ジョニー・ウィアー)
アメリカ代表。SP6位、82.10点。フリーは『City of Angels』サウンドトラックから、と『The Lady Caliph』より『Nocturne』
プログラムのテーマは堕天使なんだそうですよ。ジョニーはこのモチーフが好きらしく、こういうテーマのプログラムを過去に何度か滑っています。全米選手権のときには、ファー付の衣装を着ていたのですが、反毛皮団体からのいやがらせや脅迫があり、シーズン前半の衣装に戻すのだとか。フェイクファーは嫌というのがジョニーらしいな、と。
SPは、ジョニーについては悪い予感があまりしませんでした。悪い予感は結構当たるのですよ。ファンなので。だから、見る前は努めて心を真っ白にして見ました。落胆しすぎないように、ついつい悪いことを想像してしまう癖があるのですが、それもしないようにして。そして全てをクリーンに終わって、嬉しいやらホッとするやらかわいいやら...だったのですが、あれ以降、まああれこれ反応があるようでwそれもまた、演技がよかった証拠でしょう。よくなかったら印象に残らないものですし。ジョニーの勝ちってことでw

24.Evgeni PLUSHENKO(エフゲニー・プルシェンコ)
SP1位、90.85点。フリーは『Tango Amore』
SPを見て、つくづくこの人はジャンプの天才だなーと思いましたよ。高さといい軸といいね。スケートの伸びは本人比あまりなかったように思いましたが、この演技は「練習みたいなもの」なんだとか。ほう。
フリーでも天才ぶりを遠慮なく発揮してください。


以上。2/19は、みんながいい演技をする日にな〜れ。