ファンとは厄介な生き物です。

大分前に録画していた、某ミュージシャンのライブをやっと見ました。
私は13〜14年前から、この方のファンでして、2年半ほど前にファンをやめました。10周年記念ですね。
何故やめたのかというと、ライブが楽しく感じられなくなったからです。
でも、久しぶりに、その方のライブの音を聴いてみると、別に音楽的にはそれ程毛嫌いするようなものではなかったです。というか、好きも嫌いもない。10年以上熱心に聴き続けていると、いつしかはじめて聴く曲でも次の展開が読めたり、ああ、過去にあったアノ曲の系統ね、みたいなことが分かってくるものですが、その方は本当に何年経ってもその辺が変わっていませんでした。そこまでいくと、もう好きとか嫌いとか曲を聴いて感じることもなくなっていました。わかる、わかる。だけ。
そして改めて、私はこの人の音楽が嫌いでファンをやめたわけではないのだな、と実感したのでした。人間性というか、ミュージシャンとしてのスタンスが受け入れられなくなったのでした。
ラジオで愚痴っぽいことをごちゃごちゃ言っちゃうアノ人とか、音楽番組の公録で楽器を投げたアノ人の事は大好きでも、特に他人を批判したり、問題を起こしたりしないこの人が嫌い、というのは我ながら不思議なのですが。
きれいごとしか言わないその方は、音楽活動の中で、見ていてあれ?と思うようなことが起きても、キレイな事しか言わないのです。別に悪口を言えとは思いませんが、後から「あの時はアノ人も傷ついていました」とかマネージャーが出てきて言うような、そうして何故かご自身が被害者になってしまうような、そういうスタンスとか。その時々で都合のいい人を持ち上げて、関係がなくなると愛情のかけらも、わだかまりを感じるほどの興味も感じられないコメント(あの人も頑張ってるみたいですよ、的な)をしたり、でもそういう人とまた関わりだすと「運命だと思います」とかさらっと言っちゃうような。そういうところが不埒だなー。IMITATION CRIMEだなー、と思って、ファンをやめました。
音楽じゃなくて言動でファンをやめるなんて、音楽好きとは言い難いなと我ながら思います。でも、ファンというのは多かれ少なかれそういうところのある、厄介な存在なのですね。懐かしい人の姿を久しぶりに確認してそんな感慨にふけったのでした。