NHK杯最終日だけ見てきた記。

今年はNHK杯のチケット獲得競争が激戦だった為、最終日の端席しかとれなかったえむぞうですよ。コンバンハ。
正面にリンクが存在しない程度の端席という事で、母に「そんな席なら行くのやめれば?」「折角プラズマ買ったんだしー。うちでハイビジョンで見ればー?」というお誘いがあったりして、うっかり乗りかけたのですが、とあるところで中部選手権の無良君の演技を見まして「これは応援に行かねば!」なんて気持ちがむくむくと湧き上がりまして、勢いで電車のチケットを手配。けっきょくやっきょく名古屋へ赴くことと相成りました。


実は10数年ぶりの名古屋。新幹線から在来線への乗り換えにまごつき、会場到着が競技開始時間の12時を過ぎてしまいました。
一番滑走は、時々かわいらしいツィートで和ませてくれる、かわいいジェレミー・テン。彼も見たかったんだけど、厳しいだろうか・・・と思いつつ駅から小走り。すぐに着きそうでなかなか着かない。何か2つばかり建物を迂回しつつの道のりなのですね。
会場に着いて中に入ったら、今度はカーブした通路を歩いて歩いて歩いて・・・端の端の席なのでなかなか着かない。途中佐藤信夫コーチにとすれ違い、あれ、知らないうちに関係者ゾーンに入っちゃった?と思い壁の表示なんかを再確認したりしている間に、リンクからは喝采が。これはもしや3A決めたか?ともどかしく思いつつ、ようやくなんとか客席への出入り口に到達。Jテン君の演技が終わるまで、出入り口付近で立ち見をして、演技が終わったところで座席へ。コーチとの様子を見るに、なかなか満足げ。私が見れたところでは、ジャンプが抜ける場面もあったけれど、あの表情はやっぱり、拍手が聞こえてきたあたりで3A成功したんだ。きっとそうだ(そうだった)。
続いてKVDP。まだシーズン序盤だし、前日の演技もいまひとつだったから、まだ調子上がってないんだローな。4回転は跳ばないんだろうな。と思っていたら 跳 ん で き た 。待って、心の準備がwそんなこちらにお構いなく3A、3F3T3Tと大技を決め、その後も次々とジャンプを決め、あれよあれよという間に全てのジャンプを降りていた。マジですかKVDPさんwすごいですww客席大盛り上がりでスタオベも多数。本人もキスクラでカメラに向かって笑顔。日本の大会で、こんなに嬉しそうな表情の彼を見るのは珍しいかも。
そして、前日のTV観戦で、髪が伸びただけで驚きの美青年になっていたシュルタイス。耳慣れたニーノ・ロータのロミジュリの旋律が流れて、そーか、だから美青年化してたのかと納得。それでも途中プロコフィエフのロミジュリに曲が変わり戦いだしたりするあたりにらしさを感じたり。終盤まで着々と要素をこなしていたように見えたのですが、最後のジャンプだったルッツで転倒。勿体無い。キスクラではルトコフコーチが多分投げ込まれた蛇のぬいぐるみをアピール。相変わらず素敵ですコーチw
そしていよいよ無良君。まずはひたすら、4回転が成功することを祈り。なんとか成功。そして今度こそ抜けないようにと祈りつつ見ていた、次の3Aは着氷が乱れながらもなんとか降りた。その後もぽろぽろとミスはありつつも、後半に入っての3Aを決めました。ベストには遠い出来なのは分かってはいましたが、私が最後に現地で見た無良君の演技は、昨年末の全日本の体調不良の中での演技で、明らかに様子がおかしいものの懸命に最後まで滑る姿には心を打たれながらも、どうしても悲しくて、演技が終わった後しばらく呆然となったりもしたあれ以来無良君の滑る姿を生で見ていなかったので、今回はどうしても、悲しくならない無良君の演技が見たかったのです。やりたい技にまっすぐに挑んでいく無良君の姿が見たかったのです。自分的にそれは叶いました。ありがとう無良君。
続いてジャーリャン・ウー。えっ、ジャーリャン・ウーってゴカリョウ(漢字の日本語読み。NHKではこう呼ばれるのです)だよね!?クワドルッツ志願の彼だよね!?と思うほど、これまで彼に抱いていたイメージとは違う、しなやかできれいな演技でした。あーびっくりした。でもよかった。
続いてマイナー。ステップシークエンスからスタートしましたよ。相変わらず、ミッチェル&ヨハンソン組らしい趣向に溢れたPG。そしてやっぱりきたイーグル。イーグルを見せ場にする選手って、じっくり見せるタイプが多いようなイメージなのですが、彼のはなんというか旋律の間をひらひら漂っているようなイメージのイーグル。ところで次のGPが中国杯のマイナー君。名古屋に留まって邦和で練習して中国入りするらしいですよ。慣れない環境での練習は大変でしょうががんばって。



あっという間に第2グループ。
このグループは、ジャンプ以外でも見せ場を沢山持っている選手だらけで、名前がコールされるたびにテンションが上がっていきました。こんな楽しい面子揃えちゃってほんとにいいんですかああああっっっ!!?みたいな(←)
とはいいつつ、やっぱりどうしても気になる羽生君と大ちゃんを中心に見てしまいますね、6分間練習は。あ、アモディオも勿論今回のお目当てなんですけどね。4回転の調子の方が気になってしまいまして。まあどちらも、6分間では成功!という場面はなかったのですが。
そんな中、視界の端に映るステキベスト。ア・・・アボットさんてば、そのレトロ風味のチェックのベストにネクタイ姿・・・ツボです!!私のノスタルジック回路が目覚めてます!!しっかしスタイルいいなアボットさんは。
残り時間1分を切って4回転に挑む若造にやきもきしたところで6分間練習終了。2番目の滑走なんだから、残り1分切ったら大人しくしてなさい!と言いたくなったり。まあ若いから大丈夫なんですかね。
さて楽しい第2グループです。


しかし最初の滑走のデニス・テン君は、時々訪れるメルトダウンがこの日も訪れてしまったのでした。ジャンプがなかなか決まらず、3回転倒でまさかの最下位転落。キスクラでフランク・キャロルコーチと並ぶ姿を見て、コーチも環境もロシア→アメリカって、ものすごい大変なんだろうな・・・と思ってみたりしました。でも彼の実力であれば、きっと追々軌道に乗ってくると思うのです。
そして羽生君。今季初戦。シニア初戦。そしてこの試合からPGに入れて挑む最初の4回転。正直、転倒折込済みのつもりで見ていました。そしたら・・・降 り た 。しかもものすごくきれいに!!!!しかし昨今のトレンド(←)は、4回転成功の次は華麗に1A。既に先輩2人がお手本を見せています(←)。しかしここは末っ子の機転というか何なのか、アクセルも3回転半して降りてきました。そして潔いエッジエラーのフリップ、セカンドジャンプで腰に手を当てる3ルッツ2トウと、後半に入ってからの3A3Tも成功!なんなんだこの子は!予想外すぎる!!しかしその後のループがシングルに。いやでも、ここまでの流れでもう充分おなかいっぱいですw夏のショーでもいつもヘロヘロだったコレオステップは、やっぱりお疲れ。もう少し、ここ!ってところでビシッとやってメリハリつくととても見栄えのするものになりそうなんですがね。で、3S降りてスピン→フィニッシュ。すごーーーーーーーーーい!!!まさかシニア初戦で4回転成功とは!!!まだ15歳なのに!大丈夫か!!(何)
そして衣装が改良されていましたね。福井ではじめてあの衣装を見たときは「な・・・ナナメの・・・シマシマ・・・」と思ったものですが、色の切り替え部分に模様をつけて、ラインストーンを効果的に配置すると大分グラデーションぽく見えるようになるのですねー。感心しました。あのラインストーン、羽生君のお母さんがつけているんですよね、多分。すごい大変そう。
続いてアモディオ。今回のFSは動画で既に見ていて、正直がっかりしたのでした。止まってばっかり・・・と。ジャンプ構成の難易度も昨季より落ちているし・・・。しかし、というか、期待していなかったからなのか、実際に見てみるととても楽しめてしまいました(笑)止まってマイムをするところでも、彼の場合は動きが大きくてダンスが上手いので見ていて楽しいのですね。ジャンプのミスは最後の2Aがシングルになっただけ。なんと客席からスタオベも受けていましたよ。私のかわいいアモディオが!(←)キスクラではモロゾフと笑顔。アモディオにかかれば、モロゾフも妙に気さくなおっちゃん風に見えてしまうのですね(←)
PGは止まってばっかりとはいえ、要素に入るところのスムーズさなんかは羽生君よりよかったと思ったのですよね。そういうところも羽生君の今後の課題ですねー。そんなわけで、羽生君の上に行くかなと思ったらやっぱりそうなりました。
続いてソーヤー。何度も言っている気がしますが、彼のPGはいつも個性的で大好きなのですが、ジャンプが弱いのですよね。課題の3Aは両足、転倒もあり。しかし、一時期ガンガン回転不足を取られていたのですが、今回は見ていて、目に見えるミスがあった以外のジャンプは回転は足りていそう。まあ順位は落としてしまいましたが、それでも好きですよソーヤー。
そしてノスタルジック回路絶賛刺激中のアボットさん。ウィルソン振付の『ライフ・イズ・ビューティフル』ときたら、見る前から良PG確定と思っていたのですが、想像通りとても美しい。アボットさんは靴に問題があって、今回は4回転を回避していたわけですが、4回転なしで、このPGを破綻なく見られたらそれはそれでラッキーかなーなんて、競技を見る姿勢としてはどうかというような事を思っていたら、見透かされたようにアクセルが抜けた(ノ∀`)そんなミスはありましたが、素晴らしいPGでスタオベをする人の姿も。これは大ちゃんも相当頑張らないと・・・と思っていたら意外にTESが低くてびっくりしたのですが、ルッツの回転不足を取られていたのですね。彼は調子が悪いときは難易度順に上からルッツまでのジャンプに影響が出ますからねー。やはりスリッパ並みに柔らかくなった革の靴でのジャンプは厳しいのでしょうね。
さて大ちゃん。ここは4回転を跳んでおかないと色々とアレなんじゃないのー?と思っていたら、しっかり決めてきました。どうなってるんでしょう最近のこの人wJOでは抜けてしまった、その後の3Aもしっかりと。その後も着々とジャンプを決めて、後半の3Aも危なげなく。そろそろ不安になって参りましたよ。GP初戦でもしノーミスやっちゃったらどどどどうしよう!!そう思っていたらサルコウがシングルになったので、申し訳なくもホッとしましたwですよねー。シーズン終盤に向けて上げて行かないとねー。しかしその後の3Lz2Tでの転倒は「そこまでやらなくてよろしいw」と思いました。勝手なファンですみませんw
まあ、これなら1位だろうという予想通りに1位。あれ、キスクラにカメ先生が?珍しい。


そんなわけで表彰式。
日本男子優勝時恒例、1位と2位の頭の位置逆転現象が2年ぶりに。待ち構えていた雰囲気wの客席から笑いが起きると、大ちゃんは慣れた風情で、頭の位置を手で示してアボットに説明。3位の台にアモディオが乗ると、いい感じに傾斜が。大ちゃんが背伸びをしてみたり、アボットが背伸びをして大ちゃんにたしなめられたりwアモディオが台の上でジャンプしてみたりと、相変わらずゆるい雰囲気の表彰式w
メダルと花束の授与が終わると、1位の台の上に3人が並んで撮影。そこでアボットさんが、膝を屈めて身長を合わせる優しさ(?)を見せるひとコマもw
そしてウィニングラン。アモディオがメダリストとしてリンクを周回する姿に妙に感動しました。