今更五輪振り返り。@FD

さて、フリーダンスです。実は私、録画を失敗しまして、最初の3組がきちんと録画できていなかったりします。
しかし、その日のうちに何度かあった再放送にて、何故か放送された1番滑走のチェコの組は捕獲できたのでした。でもなんでこの組だけわざわざ放送したんだろう。アリソンの組と間違えたんじゃ・・・という気がしないでもないですがw


ハイコヴァ/ヴィンクー。エディット・ピアフメドレー。いいPGですね。ダンスらしいといいますか。ちょっと動きがもっさり気味で、音楽が身体に入っていなさそうな雰囲気が気になりますが。でもいい雰囲気です。ピアフ効果かもしれませんが。
で、2番滑走のエストニアは見られず。3番目のイギリス2番手は、スピンの辺りから映像が。アダージョ・・・。このシーズン、何気にアダージョ多かったな。ODではリバーダンスで会場を沸かせたそうですよ。見せてくれればいいのに。
そしてリード/ジャパリゼ。活き活きしていたODと比べて、どうも動きが重いような。ポジションがきれいにとれていない瞬間がチラチラあったり、後半にむけてスピードが落ちたり、ステップシークエンスでアリソンにミスがあったりもしたし。この辺の組は、普段の大会ではFDに進むのがとりあえずの目標だったりするので、ODを中心に滑り込むのでしょうね。ディダクションは、リフトのタイムオーバーかと思ったら転倒だそうで。え?ど、どこで?


グループが変わって、5番滑走がリード姉弟。『天使と悪魔』いきなりクリスが黒くなって出てきたので、え、役柄交代?と思いかけましたがそうではないらしく。やっぱりキャシーが悪魔なんだそうで。満場一致だそうでwまあ、白い服着ててもやっぱ悪魔ですね、キャシーちゃん。よゆーのツイズルで1Gと2Gの差をアピール。最後までスピードも落ちず、全身を使った動きもキレよく、相変わらずの大舞台での強さを見せてくれました。上出来の演技にご機嫌のモロゾフ先生、キスクラでは「ハイ、アナベ〜ル!CHU!CHU!」と愛娘に投げキスまでサービス。
続いてバイアー兄妹。青い。ベートーベン交響曲7&9ちょっと曲負けして見えるかも。曲調が変わっても滑りに変化を付けられていないのが、壮大な交響曲でやると余計に目に付いてしまうような。そういうところも踏まえて編曲に工夫をしたような感じもないし、これは振付けも良くないのではないかな。リフトのミスなどもあったからか、フィニッシュでは浮かない顔。この組は、最近引退を正式に発表しました。故障持ちだったお兄さんの膝が限界なんだそうで。兄の膝よくがんばった。お疲れ様。
地元の声援に迎えられてクロポー。『ノクターン』と『ボヘミアンラブソディー』まま〜。やっぱりちょっと衣装が残念。特にポーリエのシャツが。何がどうとは上手くいえないけど残念。そもそも紫色がどっちにも似合っていない。
しかしながら、演技はまたこれまでの一段上。スケーティングが音楽と一体になって澱みなくリンクをあっという間に端から端まで滑っていく。リフトのポジションチェンジもスムーズで本当に上手い。本当にODは何があったんだろう。
ファン/ジェン。輪唱アダージョ・・・。この音源はほんとフラストレーションが溜まる。なんで輪唱にしちゃったんでしょう。全体的にもやっとした感じで、盛り上がりどころでも盛り上がりきらないような。
このシーズン、どんどん評価を上げてきた組ですが、この大会で突然の失速。点数が伸びなくて驚いたのですが、レベルの取りこぼしがいくつかあったのと、GOEの加点をあまり稼げなかったのですね。まあ、加点があまりつかないのは、見ていてなんとなく分かる気がする。


続いて第3グループ。
アンナちゃん&ルカ。レクイエム・フォー・ドリーム。一部のダンスチームの課題曲の様相を呈していたこの曲。でもこの組のPGが一番良かったと思いますよ。贔屓目ぬきで。曲自体は好きでないけれども。ていうか聞き飽きた。演技も、シーズンで一番と言ってもよいのではないでしょうか。身体がキレてます。タイツも切れてますが。滑りもいい。よくなった。演技終了後にルカがガッツポーズ。元気なヤク中ですねw
ザドベル。不思議なポーズからスタートするPG。どうしてコンパルソリーは良かったのに、FDになると動きが重くなってしまうのだろう。PGの意図するところも、いまいちよく分からない。
ホフザボ。『So Excited』『Hush Hush』『Rock This Party』ポップスのメドレー?音楽がころころ変わるのが少し慌しく見えるような。今ひとつPGが薄く感じる。


ここで、NHKの生中継は一旦おしまいで、ニュースとかドラマとか流していたのですよ。第3グループ半分と第4グループがまるっとカットorz
で、夕方のダイジェスト放送でその分を補完しようとしたのですが。


ボブソロアダージョ。この曲も、ペアも含めて使うところが多かった曲。その中ではこの組のPGが一番好きですね。ユニゾンのよさとラインのきれいさが、いい意味でロシアらしい。NHK杯で見たとき、PGが進むにつれてどんどん引き込まれて見入ってしまったのですが、カナダの会場のお客さんもそうだったようで、低い得点にブーイングが起きていましたね。相手がロシア人でも、お客さん温かいですね。
サミュベイ。CANTO DELLA TERRA。壮大な、広がりを感じさせる曲で、この若い組には少し荷がかちすぎる選曲じゃないかと当初は思ったのですが、大分よくなってきたな、味が出てきたなという風になってきました。


ザレツキーズシンドラーのリスト。五輪シーズンにこのテーマでやりたかったのでしょうね。この曲ってとてもきれいだけど、重くて悲しくて、フィギュアスケートで使うにはあまり向いてないんじゃないかと個人的に思うのですが(沢山使われていますがね)、この組のPGはとてもいいと思います。以前の粗さの目立つスケートだったら、この曲滑れなかったでしょうね。本当に上手くなった。
カーズ。『Krwlng』ヒットチャートの音楽を使っていても、こっちはアイスダンスらしい面白味を感じる。何故だろー。いろいろな音を丁寧に掬い上げて効果的に振付に反映させているなと。音楽とひとつになって滑っている感じがあって、見ているとどんどん引き込まれて気分が高揚します。後半でも音楽に置いていかれないで高揚感を出せるって、やはり上位チームだからこそと思いますね。でもジョンがツイズルで盛大にミスして、フィニッシュの後自分の頭を叩いていました。イケメンはそれでも許される(←)。


続いてホフノビ・・・って、えええええーーーーーなんで間2組飛ばすんだーーー!!!わけ分からん!!!という怒りというより悲鳴が、きっとこのときは日本中のスケオタの家から上がった事でしょう。なにしろ、元世界チャンピオンの、シーズン最初で、競技生活最後の演技を録画できない危機だったわけですから。
でも本当に謎。最終Gに入った時点で暫定1位と2位だったのに。


というわけで、更に夜に放送されたダイジェストの方から。
ペシャブル。『Kika』『レクイエム・フォー・ア・ドリーム』うーん。プログラムのつまらなさを再確認してしまいました・・・。一番最後のリフトが不発になってしまったけど、要素外のリフトだったから、大きな影響はなかった模様。
デロション『見果てぬ夢』の、ジャック・ブレルが歌うフランス語ver.オリヴィエがドン・キホーテになるの?と思ったけれど全く違って、このPGは2人の競技人生を表しているのですね、多分。最初は2人とも子供で、お互いに相手よりも前に出ようとして張り合ってケンカして、というのが滑りだす前の小芝居部分で、でも「2人で滑る」という事を学んで、成長して、一緒に「見果てぬ夢」を目指していくのだなと。五輪で滑り終わるときが、その夢を追うストーリーも終わるときなのですね。見ていてうっかり涙が止められなくなりました。点数が出てキスクラを去るときに、イザベルはスケート靴を脱ぎました。さようならの挨拶なのでしょう。
ホフノビ。『火の鳥』衣装の露出度が大人しめになりましたね。『禿山の一夜』を火の鳥風味に焼きなおしたみたいな。でも、これがやはり、彼ら(というかホフロワ)のいいところを一番アピールできる路線でしょうね。ステップシークエンスで段々失速していくのが、毎度のことながら残念。全体的にも、後半になるとスケートの伸びがなくなって・・・。でも今は、ノビツキーが事故の後遺症で膝の調子がずっと思わしくなかったと知っているので、ああノビツキー辛いんだなーみたいな。この『火の鳥』は、本当は次のシーズンに使おうと思っていた曲らしいですね。でも『ポーリュシュカ・ポーレ』がいまいつ評価されないので、前倒しにしたと。やっておいてよかったね、と。彼らに次のシーズンは来なかったのだから。


生中継じゃないと、演技を終えてからリンクに上がるまでの時間がカットされるから、コーチウォッチが存分に出来なくてちょっと寂しい。


ここからは生中継の映像で。最終グループ。
メリチャリ。『オペラ座の怪人
前半にリフトを2つどーんと盛り込んでメリルを振り回させて、サーキュラーの後『Music of the Night』のあたりでメリルの周りを滑りまわったり(ストーリー上の必然性があるわけだけど)、さり気なくチャーリーの運動量を増やしているのは、スタミナを消耗させて、暴走しすぎの自滅を回避させる作戦だろうかwと言いたくなるくらいハードなこのPG、終わった後のチャーリーのゼーハーぶりがすごい。そして、そんなチャーリーに涼しい顔で笑いかけるメリル△
ファイスカ。ファイエラのこのシーズンの衣装は本当にハズレがない。なめらかでよく伸びるスケートが心地いい。いいPGにいい衣装にいい滑りでした。
テッサ&スコット。3つのリフトがレベル4にGOE+3のフルマークすごいー!!でも、このPGで一番きれいなリフトは、最後の要素外のリフトだと思っています。音楽にも一番合っているし。でも“スポーツ”としてはこれでいいのでしょう。でも正直、この曲にこの振付はちょっとスポーティーすぎるなというのが個人的な感想。それと、もう少し後、2年後くらいの彼らで見たかったかなとも思います。勿論、リフトに限らず全てで彼らは抜けていたと思うので、競技としての金メダルは相応しいと心から思っています。彼らが現役続行を決めてくれて本当に良かった。この演技は素晴らしかったけど、きっともっと出来ると思うので。
ベルアゴ。ベルビンの衣装は、GPシリーズの一番最初の白のドレスが素敵だったのに何故これに落ち着いてしまったのか。しかし、代わりに、全身白衣装のアゴストは、動きの優雅さがいつも以上に引き立ちますな。最後までスピードが落ちず、要素も無理なく音楽に合っていて、いいパフォーマンスだと思うのだけどなー。100点届かなかったんだよなー。
ドムシャバ。このPG、それなりに好きではあるけど、ちょっと五輪のPGとしてはインパクトが薄くないかい?とも思います。これまで『韃靼人の踊り』『仮面舞踏会』『スパルタカス』と王道のダンスを見せてきた彼らだけに、なんでこのシーズンにこう来るかなーと。イメージチェンジに挑戦するシーズンじゃないでしょーと。


ベルアゴとドムシャバは、この五輪の演技が競技生活最後のパフォーマンスになりました。寂しい。けど、どっちも怪我があるのですよね。特にシャバリンの膝は何回も手術をしていて、よくぞここまで辿り着いたと言いたくなる状況でした。
他にも引退するカップルは何組かいて、五輪シーズンは盛り上がるけれど、反面寂しさもありますな。