西川貴教のオールナイトニッポン雑考

TMさんのどこがいいの?とか聞かれたら


「歌が良くて、ライブが良くて、性格がよろしくないところ!」


と答えることにしています。


貴教さんは、ちょっとばかり口が悪いです。不用意な発言をしたりします。
長年オールナイトを聞いていて、ハラハラしたことも多かったです。
だけど、それでもオールナイトを長年聞いていて、貴教さんの人となりにどんどん惚れこんでもいきました。


私が嫌いな人のタイプの中に「借り物の言葉でもっともらしいことを言う人」というのがあります。
そんなわけで、そんな人が偉そうにしている、TVやラジオの人生相談ものは、基本的に嫌いです。
貴教さんは、ラジオで人生相談みたいな事は滅多にしませんでした。あえてそうしている、というようなことを聞いて、まあ、もともとファンではあったのですが、更に好感度が上がったりもしました。


でも、たまーにありましたね。人生相談的な事。
例えば、加藤晴彦さんのオールナイトにゲスト出演した際には、番組の企画で。
そういうとき、聞こえのいい言葉を選んで、ありきたりな事をいって励ましてる風にする事は、ちょっと器用な人ならできる事ですね。
でも貴教さんは、自分の経験や、見てきた事を根拠に、考えながら答えていました。
元々、貴教さんの人柄なんてろくに知らない(ちょっと面白い人だという事は知っていましたが)で、ライブの姿を見てほだされるようにファンになっていった私にとって、貴教さんのそんな部分を知れたのは、嬉しい発見でした。


今週月曜日の、オールナイト最終回でも、観覧に来ていたリスナーの質問に答えていましたが、そういうときの、言葉を選びながら話している話し方や、いつものラジオよりちょっと穏やかな声が、やっぱり好きだなー、と思いました。


2001年9月11日の、同時多発テロの際も、貴教さんのオールナイト(当時はスーパー)を聞いていました。
放送中に起こった大事件の映像を見て、貴教さんは「ごめん!今日はいつもみたいな放送はとてもできない!」と言いました。
ああ、真っ当だな、と思いました。
私の周りには、真っ当じゃない人が沢山いて、当時はそういう人達に振り回されて、精神的にも体の方もボロボロだったので、貴教さんのその真っ当さに、なんだか清々しいものを感じました。


その時々の放送で、愚痴をいったり、こんなことやりたいんだけど・・・とかぼやいたりしていた事が、何年もかけていつの間にか実現していたり、といった事も、ラジオを通して何度も見てきました。
ずっとやりたいと言っていた、男子限定ライブも、オールナイトを通して実現しました。


そういう貴教さんの様子が、私にとって支えでした。
今は出来なくても、続けていれば結実する事もあるんだ、とか。そういう事を、西川貴教のオールナイトニッポンの8年9ヶ月の放送の中で見せつけられました。


一方で、生放送でお酒を飲んで、べろんべろんの状態を電波にのせてしまって、関係者一同平謝りの事態になったり(笑)
スタッフの部屋を、勝手に会社の踊り場に引越しさせたり(笑)
他人の家のお風呂でフルーチェを作ってみたり(笑)
「最強の女性ボーカリスト決定電リク」という、局の電リク企画の1位を、組織票で貴教さんのお母さまにしてしまったり(笑)
悪ノリしてやらかした事も枚挙に暇がない、というかこっちの方がはるかに多い(^^;)のですが。


だからまあ、貴教さんは決して誉められた人ではないのでしょうね。
でも好い奴です。
それに、ラジオを聞き続けていて思ったのですが、この人の場合「よくないところはいいところ」なんだと思っています。
要するに、人間的な「クセ」の部分が、時と場合、状況にっていいところにも、よくないところにもなる。という風に私は思っています。
そして、結局はこの「クセ」の部分が、とても好きなのです。


貴教さんのような人がいる事が、口はばったいのですが、私にとっては希望です。
人って捨てたもんじゃないな、とか。やめなければ手が届く望みもある、とか。そう思わせてくれるのが、貴教さんです。
異性として「理想の人」だとか、そういう事ではなくて。人として「希望の人」です(笑)


こんな事は、ラジオを8年以上聞き続けないときっと思わなかったと思います。
私にとって「西川貴教」という希望をくれたのが、オールナイトニッポンでした。