野望のアップルパイ

昨日に引き続き、土曜日の話です。


実はこの日、私には隠れた目的がありました。
それは、アツアツアップルパイのアイスクリームのせをおやつに食す事でした。
この日の少し前、某所で、夜中の2時にアップルパイwithアイスクリームをおやつとして食す乙女2人の記事を読んで以来、アツアツアップルパイwithアイスクリームが食べたい気持ちに胸を焦がしていたからです。
アツアツアップルパイにアイスクリームをのせてくれそうな店は、既にマークしていましたので、仮名クサノさんをいかにしてその店に誘導するかが、この日の勝負ドコロでした。


午後12時半。仮名クサノさんと久々の再会を喜び合った後、まずは昼食タイム、とお気に入りのカレー屋さんへ。
結構な人気店なので、土曜日のお昼時は混んでいる事を覚悟していたのですが、運よくスムーズに席に通されました。
そこでカレーを食べつつ、楽しい会話に興じていると、突然クサノさんが言いました。
「あ!そういえば私、前あったときにえむぞうにお金借りたよね?」
「え?そうだっけ??」
クサノ(仮)さんによると、最後に会った約1年前、ケンタッキーに入った時にクサノ(仮)さんの分のお金を私が一緒に払ったというのです。
そういえば、そんな事があったような・・・?
「600円くらいだっけ?」
とクサノ(仮)さんは言いますが、今の今まで貸していた事を忘れていたのに、金額なんて覚えているはずもありません。
「いいよ、忘れてたんだし」
と私は言いましたが、クサノ(仮)さんは譲りません。こういうことはきちんとしておきたい性格なのです。なので、なかった事にするのは、彼女の気がすまないだろうと思ったので私は
「じゃあ、この後お茶する時に、お茶おごってよ」
と言うとクサノ(仮)さんは納得してくれました。


しかし、このとき私は、言ってすぐに後悔していたのです。
何故なら、600円程度の金額に見合うようにお茶をしようと思うと、本日の隠れた目的、アップルパイwithアイスクリームが食べられなくなってしまうからです!!


そんなわけで、ここで一度アップルパイをこっそり諦めたのです。
そして、カレー屋さんを出た後、伊勢丹あたりをブラブラしていました。
1階に8月の七夕に向けた笹が置いてあり、そこに沢山の短冊がつるされていたのですか、何故かひときわ目立ってしまっていた「退学になりませんように」という力強く、かつ切羽詰った願い事の主が近隣のどの学校の生徒で、何故退学の危機に晒されているのかを勝手に予想して盛り上がってみたり、更に自分たちも短冊を書いて、私はこっそり8/17発売のT.M.Revolutionのニュゥシングルのヒット祈願をして見たりしました


その後は、伊勢丹の子供服売り場で、小さい服や小さい靴を眺めて、ついつい愛娘の服を衝動買いしてしまうお年頃のクサノ(仮)さんに「買っちゃえば〜」と悪魔のささやきをして遊んで見たりしていたのですが、ここで急に「そうだ、カラオケ行こう」という展開になります。


そしてカラオケで、TMRとかラルクとかの曲を歌った後、ちょっぴり主旨変更してPVの流れるカラオケで次々とラルクを流してみました。私は
「flower」で首振りながらベースを弾くtetsuさんをみてカッコイ〜〜〜と騒ぎ。
「Blurry Eyes」のポニーテルな美少女はいどさんを見てキャー(惚)!
「花葬」の眉なしイグアナ似はいどさんを見てキャー(怖)!
なんてやっていたのですが、クサノ(仮)さんは、どのはいどさんにも動じることなく「楽しそうだねぇ」と私に優しく微笑みかけてくれたのでした。
そしてすぐさま、リストに目を落とし「何でスピッツがないのっ!?」とぼやいていました。
やはり彼女にとって「マサムネ」以上にかっこいい男性はいないようです。


そして、カラオケ(?)を満喫した後、ふと私は妙案を思いつきました。
「ねえ、さっき言ってた借金分、ここの料金でナシにしようよ!」
カラオケ1時間とワンドリンクで大体600円ほどになるはず。ここで借金分を清算してしまえば、遠慮なく自腹でお茶が出来るはず!
クサノ(仮)さんも納得し、カラオケ代をクサノ(仮)さんが持つ事で、2人の間の借金は消滅したのでした。


そうなれば、あとは押しの一手です。
「時間大丈夫?」「そろそろ帰った方がいいのかな?」
などと、愛娘を夫さんに見てもらっているクサノ(仮)さんに気を遣ってみつつ、あゆみは着々と目的のカフェへ。
クサノ(仮)さんも
「帰って来いコールもないし・・・久しぶりだしもうちょっとゆっくりしたい・・・」
と言っています。
「じゃあ!お茶にしよう!前に行ったところでいいかな?あそこなら禁煙席あるし!」
ともっともらしい事を言い、タッタカとカフェへ。


きっとアップルパイがあるだろう、と目を付けていたカフェも、幸運にもすぐに席にとおされました。
席に着く際にちらりとショウケースに目を走らせ、アップルパイの存在を確認。
あとは、あれにアイスクリームがのるかどうかです。


メニューを見て、フォンダンショコラを頼もうか散々迷った挙句、断念したクサノ(仮)さんを尻目に、私は迷うことなくアップルパイをオーダー。すると、注文をとっている店員さんがこう言いました。


「トッピングは、ホイップクリームとバニラアイスのどちらになさいますか」


野望達成に王手です!!!
イィィィィヤッホゥゥゥゥゥ!!!と、ガッツポーズをして叫びたい気分を抑え、努めて冷静に「じゃあ、アイスクリームで」と答えました。


かくして、紆余曲折の末ありついたアップルパイwithアイスクリームは、アツアツのアップルパイと、冷たいアイスクリームの二つの食感が口の中で絶妙に絡み合った至福の味でございました。
有意義な土曜日を過ごさせてくれたクサノ(仮)さん、ありがとうございました!