まあこういう事もあるさ。

今年のNHK杯のプログラム、ぱっと見では分かりませんが、表紙に小さくコストナーが載っているのですよ。何か予言めいたものを感じたり感じなかったり(笑)
さて、今ホテルに戻っているので、割りに時間があるわけですが、何から書きましょうか。
まず、舞ちゃんの棄権が残念でした。でも昨日から調子悪そうでしたからね。全日本では元気な姿が見たいです。
大会が始まる前にポイキオも棄権していて、第1グループの滑走者が4人だったのですが、かなりリンクが広く見えましたよ。4人だと、終わるのもあっという間でしたし。なんか寂しい。
第1グループでは、ホーカーの演技が私は苦手だったのですが、生で見るとちょっと印象が変わりまして、苦手感が若干薄まりました。
あと、今回のお目当ての1人、ゲデバニシビリは、6分間練習からジャンプの感覚が合わなかったようで、1回転や2回転を連発していました。その流れのままの演技で、ジャンプは不調でしたが、相変わらず身のこなしはかっこよく、スピンも素晴らしかったです。演技終了後、お隣の人と彼女のスピンを褒め称えていました(笑)彼女を見ているとちょっとスルツカヤを思い出しますよ。ジョニーがゲデバニシビリお気に入りなのも分かる気がします。
もうひとつ印象的だったのが、6分間練習で、第1グループの中に彼女が混じると、スケートが一際速いのですね。だからよくぶつかりそうになるのではないかと(^^;)


第2グループの6分間練習、まず目に飛び込んできたのはコストナー。速い!昨日はそれほど感じなかったのですが。やはり昨日は緊張していたのでしょうかね。ジャンプはあまり良くなさそうでした。
そして、美姫ちゃんのジャンプの不調っぷり。ルッツからのコンビネーションがなかなか入らず、何度も試していたのですが、遂にいい状態のジャンプはほとんど見れないまま、練習が終わってしまったのでした。
そんなお気に入りの二人を目で追っていると、やたらと視界に入ってきたのが奈也ちゃん。カナダとは違うラベンダー色の衣装で、同じ『Otonal』で4位に入った2006年の世界ジュニアをちょっと思い出しました。


さて、レピストから演技が始まります。
TV用の実況ブースが、私の座っている席から見て、リンクをはさんだ真向かいにあったのですが、音楽がかかる直前、シーンとしていると声が聞こえてくるのですね。彼女が滑る直前は「表現力には定評が・・・」みたいな事を言っていたように思います。でも、正直今日のフリーからは表現力はあまり感じられませんでした。SPはそんな事なかったのですがね。ジャンプが増えるとどうしても慎重になってしまうのでしょうかね。


続いて奈也ちゃん。6分間練習のときの良いイメージそのままの演技でした。失敗する気配がまったく感じられませんでした。いや、失敗はひとつありましたけどね。あれは元々トリプルを入れられていなかった種類のジャンプだったので、入れてきただけでナイストライ!なのです。しかし私は「お!ルッツ入れてきた!」と思ったのですが、後の本人のインタビューによると、フリップだったのだとか。思いっきり不正エッジじゃないですか・・・。
何にしても、いい演技でした!終盤のステップでも疲れもあまり見えず、最後までイキイキと滑りきりました。


シズニーは多分、美しいスピンと引き換えにジャンプパスを2枚くらい悪い魔法使いにあげちゃったんだよ・・・。だから多分、跳んでいいジャンプの数がほかの選手より少ないんだ・・・。それ以上のジャンプを跳ぶと失敗するようになっているんだよ、きっと・・・。
という冗談はさておき。中国よりは良かったと思うのですが(ディダクション4と比べるなという話もあります)やっぱり点が伸びませんねえ。ザックザックとダウングレードとられています。演技の印象よりはるかに低いTESが出てくると、若干凹みますね。


マイヤーは、正直あまりよく覚えていないです。スピンをちょっと心配しつつ見ていた気がします。でも点が出てよかったですな。


美姫ちゃんは、まあ、仕方ないかなと。公式練習でのジャンプの調子がいいらしいという事以外、スケアメからこっち、聞こえてくる情報の中に、スケアメよりもいい演技を期待できそうな材料がなかったですから。ジャンプの調子だって、練習でよくても音楽をかけてほかの要素もやりながら跳ぶのとは違いますからね。6分間練習で覚悟は出来て、マイヤーの得点待ちの間リンクに出てウォームアップをしている際、1回転になったジャンプを1回跳んだ以外は、ずっと同じところをうろうろしているだけなのを見て、「そうか・・・」と思いました。そして、そう思った通りの演技でした。でもステップはちゃんとやっていたと思います。音楽にも合っていました。今季が苦しいシーズンになるであろう事は、シーズン前から予感はありましたが、見ている側には何も出来ないのですよね。それでも私は美姫ちゃんも、美姫ちゃんのスケートも好きなので、このトンネルも抜ける日が来ると信じて見守ります。


というわけで、コストナー優勝のチャンスです。だというのに、早々にジャンプミスするんだな、この人は。でもスピードはありますよ。心の中で「いつもの演技(ミス込み)すれば優勝できるから!落ち着いて!」と思っておりました。ジャンプ以外のところは、あのボロボロだった中国杯からすればかなり良くなっていますし、難しいPGをよくこなしていますよ。でも、最後の2アクセルがシングルになったときには「あー、これはマイヤーが優勝かな」と思いました(^^;)が、何とか逃げ切り。優勝してトリノGPファイナル進出をきめたのでした。おめでとう。


そして奈也ちゃんがなんと3位!インタビューで感想を聞かれて、いきなり「牛タン食べに行こうと思ってて・・・」と言い出したのは笑いました。表彰式でも、場慣れない感じでキョロキョロしている姿を、会場のお客さんに暖かく見守られていました。でも、会場にはどことなく意気消沈ムードも漂ってはいたのですが(^^;)
私はコストナーも大好きですので、彼女の優勝は嬉しいです。美姫ちゃんは、まあ仕方ないかと。現状では奇跡は起きないのでしょう。


今日の一番の演技は、奈也ちゃんでしょうね。点数や順位も素晴らしいですが、何より、できる事すべてを最高に近い形で出せた演技というのは、ジャンプの種類だとか、スピンのレベルだとか、そういうのまったく関係なくさせる良さがあります。演技をしている人の体からエネルギーが満ち溢れて、それが観客に伝わって増幅され、その場が喜びの坩堝になってしまうような演技はルールも理屈も順位も越えますね。そういう瞬間は、何度見てもいいものです。
ただ、そういう演技はある日突然訪れるようでそうではなく、練習に練習を重ねて、うまくいかない経験を何度もして、あるとき不意に、コンディションとか氷の質とか衣装とか、色んなものがカチッとうまくはまってそうなるのだろうなと思います。そういうのって、本人の力を超えたところのお話でもあるのですが、でも本人の準備もきっちり出来ていないと結局どうにもならないわけで。
やはり充分な練習が出来ない状態では・・・_| ̄|○


でもきっと、フィギュアってうまくいかないときの方が多い競技なんじゃないかと思います。だからね・・・こんな事もあるさ。


なんか現地レポにはなってませんな。失礼しました。