昔の話を引っ張ってきてみる。
それは私が高校生の頃。
私の周りには、微妙に大槻ケンヂ氏のファンが多かったのです。
その方たちは、時に満面の笑みで「オーケンがさあ・・・」と、大槻氏の話をふってきました。
そこで、特に氏に恨みとかはないのですが、ちょっとしたイタズラ心でこう聞き返してみました。
「なに、大江健三郎がどうしたって?」
そう言われた友人は、数秒言葉を失った後、くるりと背を向けて去っていきました。
「勝った・・・」
何に勝ったのかはわかりませんが、とにかくそんな気分に酔いしれたのでした。
しかし、勝利気分は長くは続きませんでした。
それは既に私が大学生になっていた頃の事でした。ある友人が、また私にこう話をふってきました。
「オーケンがね・・・」
そこで、私はまたもこう返しました。
「オーケンとは、大江健三郎の事?」
しかし、このときの友人は、笑顔でこう答えました。
「違うよ、えむぞうちゃん。大江健三郎はケ・ン・ザ・ブ(^_^)b」