季節は僕らを近づけて

スタートが遅かったかわりに、なかなか終わらなかったこの冬も、ようやく終わりの気配が感じられるようになって来ました。空気もぬるくなってきて、暖房のいらない日もおおくなりました。
そうなると、落ち着かないのが主さまです。
もっと寒い時期は、ホットカーペットの上でぬくぬく過ごしていた主さまですが、最近はホットカーペットも何やらひんやりしていて、落ち着けなくなってきました。
元々、人より低い位置で生活していますから、体感温度も若干低いのでしょう。暖房は消えちゃったけど寒いニャ!とばかりに、少しでも温かい方、温かい方へとにじり寄ってきます。すなわち、体温のある人間の方へ、です。
明け方、瞼にかすかな風の気配を感じて目を開けると、そこには主さまの鼻がどどん。あ・・・あなたの鼻息でしたか。布団の中に鼻先を突っ込んで、中に入れろと要求します。寝たまま足だけ三角すわりの状態にして、主さまを中に入れると、三角の間にテントよろしく落ち着きます。こうしないと、布団が重くてイヤらしいのです。寝れやしない。
また、起きようかと体を起こそうとすると足にずっしりと重みを感じることもあります。主さま4.6キロ。
休日の朝、寝ぼけたままリビングへ行くと、いつも私が座っている椅子を主さまが陣取っていました。仕方ないか、と近くのスツールに座ると、主さまが椅子から降りてきて、前足をきちんと揃えて、私の前にちょこんと座り、私を見上げます。
「あの椅子、ドゾ。」と言ってくれているようです。
「ああ、これはどうもすみませんねえ」と私がいつもの椅子に腰を下ろすと主さまは「いえいえお構いなく」とばかりに、私の膝に乗っかるのでした・・・。流石主さま。身内ながら惚れ惚れするくらいの計算高さです。